地球50万個分が直径20kmに圧縮!? 宇宙最凶の天体「マグネター」が誕生する瞬間を世界で初めて観測

宇宙空間には、我々の常識や物理法則の限界を試すようなバケモノじみた天体が無数に存在する。
その中でも「最凶」の部類に入るのが、「マグネター(超強力磁星)」と呼ばれる中性子星の一種だ。この度、天文学者たちが史上初めて、この極限天体が「産声を上げる瞬間」を観測することに成功した。
地球50万個分の質量が、わずか直径約20kmの球体に圧縮され、宇宙最強の磁場を放つという常軌を逸したその姿。アインシュタインの相対性理論をも揺さぶるこの大発見とは。
磁力は冷蔵庫のマグネットの「10兆倍」
そもそもマグネターとは何か。巨大な星が寿命を迎えて超新星爆発を起こした際、中心のコアが自らの重力で極限まで圧縮されてできる「中性子星」の一種だ。
最大の特徴は、その名の通り「異常なまでの磁場の強さ」にある。
我々の住む地球の磁場が「約1ガウス」、冷蔵庫に貼るマグネットが「約100ガウス」だ。これに対し、マグネターの磁場は「1000兆(100万×10億)ガウス」にも達する。
もし人間がマグネターの近くに寄れば、体内の水分が強烈な磁場で引き裂かれ、原子レベルで分解されてしまうほどの威力だ。まさに宇宙の“処刑装置”である。

「死にゆく星」が見せた不気味な瞬き
今回、科学者たちが200日以上にわたって観測したのは、「SN 2024afav」と名付けられた超高輝度超新星だ。
通常、超新星はピークの明るさに達した後、静かに暗くなっていく。しかし、このSN 2024afavは違った。暗くなる過程で、まるで心臓の鼓動のように不気味な「光の明滅(パルス)」を繰り返したのだ。
科学誌『Nature』に発表された研究によると、この明滅の原因は、爆発で吹き飛ばされた星の残骸が再び中心(マグネター)に落下し、渦巻くガスの円盤を形成したためだという。
さらに、マグネターの超質量と猛烈な回転によって周囲の「時空」そのものが引きずり回され、ガスの円盤が傾きながら回転する現象が起きていた。これが、光が点滅して見える理由だった。

アインシュタインも喜ぶ「決定的証拠」
「巨大な回転する物体が時空の布を鞭打つように引きずり回す」――。これはまさに、アインシュタインの一般相対性理論が予言していた現象そのものだ。
カリフォルニア大学バークレー校の天文学教授であり、研究の共同著者であるアレックス・フィリペンコ氏は、このデータがマグネター形成の「決定的な証拠」であると断言する。
「アインシュタインの一般相対性理論の明確な効果を見るのは常にエキサイティングですが、超新星の中でそれを初めて確認できたことは特に報われる思いです」と彼は英紙『The Times』に語っている。
星が死に、時空を歪めるほどの重力と磁力を持つバケモノとして生まれ変わる瞬間。
地球から遠く離れた場所で起きた出来事とはいえ、宇宙という暗黒のキャンバスには、まだまだ我々の想像を絶するドラマが描かれているようだ。夜空を見上げるとき、その平和な瞬きの裏で、時空をへし折る極限の物理法則が作動していることを思い出してみるのも一興かもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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2024.10.02 20:00心霊地球50万個分が直径20kmに圧縮!? 宇宙最凶の天体「マグネター」が誕生する瞬間を世界で初めて観測のページです。重力、マグネター、超新星、中性子星などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで