相乗りサービス「Lyft」 急成長に戦々恐々のタクシー業界! 新たなビジネスモデル確立か?=米

■軋轢、法律…問題点を抱える「Lyft」

相乗りサービス「Lyft」 急成長に戦々恐々のタクシー業界!  新たなビジネスモデル確立か?=米の画像3※イメージ画像 photo by alexj765 from flickr

 しかし、現在そのビジネスモデルが問題視され始めている。タクシー会社との軋轢が生じ、既存のタクシー団体によるネガキャンが行われているのだ。また法的にも市によっては「Lyft」であると確認された場合、運転手に交通違反と罰金が課せられ、車両は押収されてしまうこともある。市側の見解としては、「Lyft」から各ドライバーの自動車保険や情報が提出されてないだけでなく、コンセプトの「相乗り」とは異なり「輸送」を行っていると見なしているからだ。

 「Lyft」側はあくまで相乗りサービスであり、法律に違反していないと主張する。ネットを介して人と繋がることが目的で、利用者が支払うのは「料金」ではなく「寄付または心付け」でしかない。乗車の際にも注意があり、助手席から乗車してドライバーとフィストバンプ(拳と拳を合わせる挨拶)を奨励していたり、支払いもアプリを通して行われるので財布を取り出す必要がないなど商売が行われている様には見えない工夫を凝らしている。

 名前の「Lyft」も「車で乗っけていく」という意味の英語「Lift」をもじったもので、キャッチ・コピーも「車を持っているあなたの友達」と謳っており、どうにか輸送ビジネスのカテゴリーに括られない工夫をしている。

 だが、距離と時間が換算された設定額を利用者に、半ば強制的に請求している点が特に問題視されている様だ。法律はそこまで甘くなかったということだろうか。

 法の解釈からアイディアを得て、スマホ・アプリの特性を生かしつつ、コストを抑えることで低価格で良いサービスを提供していく……その始まりでつまずいてしまった「Lyft」。許認可事業である輸送サービスをこのまま続けるには、結局のところタクシー会社として登録し直すしかないのだろう。そうなれば費用や税金による支出で必然的に値上げせざるを得ないし、既成のタクシー会社との違いも少なくなってしまう恐れもある。

 当面の打開策として料金メーターを付けて運行を始めたり、司法決定が下るまでの間は無料でサービスを提供しているが、結果次第では存在意義を失いそのまま閉業してしまう可能性もある。従来あったビジネスをアレンジし、スマホ。アプリで展開するという新しいビジネスモデルを示した「Lyft」、その今後の経緯に注目したい。
(文=Mighty Nice)

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