元・プロボクサー袴田巌死刑囚の無罪は明確? 議員が“異例の総会”を開く

 控訴審で、その衣類の装着実験が行われた。なんと、ズボンは小さすぎて、袴田さんの太ももにつかえて、穿くことができなかった。他にも様々な不審な点があるが、決定的なのは、2011年に静岡地裁で行われたDNA鑑定だ。衣類には血液がついていたが、いずれの被害者の血液ともDNAが一致しなかった。衣類が発見されたのは、事件から11年2カ月後。直後の捜索では出ていなかったものだ。事件の後に、無関係な衣類が、証拠とするために入れられた可能性が大きい。他の冤罪事件でも、捜査当局が証拠をねつ造していたことがままある。

 また、隠されていた事件直後の関係者の供述が、裁判所の勧告によって、日の目を見ている。火事に気づいた袴田さんは、同僚と一緒に消火活動を行っていたことを、同僚たちは供述している。袴田さんが犯人だと疑われた一つは、左手中指にあった切り傷だったが、それは消火活動の際に負ったものだった。同僚たちも、怪我をしていた。消火活動の時にはパジャマ姿だった。犯行を行い、部屋に戻って5点の衣類からパジャマに着替えて消火に携わるには、時間的にまったく不自然である。だからこそ、検察官は最後まで開示に抵抗したのだった。

 刑の執行停止、再審開始を求めていくことが、満場の拍手で総会の総意として確認される。姉の袴田秀子さんが、強い決意を述べて総会は締めくくられた。

 静岡地裁で袴田事件を担当した熊本典道元裁判官は、無罪であることを確信しながら、3人の裁判官の合議の結果、死刑判決を書かなければならなかった事実を、2007年に告白している。

 袴田さんが、無実である可能性は高いだろう。再審が実現し、無罪が言い渡される日もくるかもしれない。

■深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか? 革命か? それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ

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1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか?革命か?それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)、『罠: 埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった』(サイゾー)がある。ほか、著書はコチラ
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