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崩れゆく弁護士像!! 女に不慣れ、低所得、22時間労働… ~弁護士が考察・法務省官僚女子トイレ盗撮事件はなぜ起きたのか?~

■事件がもみ消されることはない

 事件がもみ消されたりすることはありません。必ず明確にされます。たとえば、何年か前に実際にあった、「某地裁の現職判事が女性書記官をストーカーしたという事件、某地裁の判事補が電車内で盗撮したという事件、某弁護士が女性依頼者に性的関係を迫った事件」などが記憶に新しいです。

 これらは、社会一般から見れば、新聞にも載らない事件として処理されそうなものです。しかし、当たり前ですが、法律家が引き起こした場合はしっかりと新聞に掲載され、全国ニュースでも流れました。個人的には、こんな罪を犯す法律家は法曹として残るべきではないと思いますが、歪んだ性犯罪に身を落とす法曹がいる遠因には、仕事のストレスもあると思うのです。そのストレスをどう発散するかは、法曹としての人格の問題だと思います。

 いずれにしても、法曹界では、「性犯罪や反道徳的行為を犯した法曹を絶対に許すな」という声や、「下された処分が甘い」という声が公然と主張されます。絶対に許されない行為をした法曹は、同業であれ断じて許さないという風潮があるのです。

 もみ消しが公然と行われることはないという話には安堵したものの、弁護士の過重労働には驚いた。

 04年に開始された法科大学院制度の導入によって、法曹人口、特に弁護士の数は増加したといわれている。しかしながら、訴訟件数は03年をピークに減少。比例して、弁護士の平均年収も642万円(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より)と、エリートの代名詞でもある“年収1,000万円”に遠く及ばない数字となってしまっている。

 今回話を伺った弁護士同様、寝る間を惜しんで営業し、大量の案件数をこなさねば収入につながらない、または「仕事がない」という弁護士も多い。さらに、そうした現状を利用するブラック企業ならぬ、ブラック事務所も増加している現状を察するに、今後、弁護士による不祥事が増加してしまうのではないかという不安は拭えない。

 5月14日、平成26年司法試験が始まる。去年の受験者数(7,653人)から増え、9,159人が受験予定と発表されているが、たとえ合格したとしても、一瞬の名誉と賞賛が与えられるだけで、未来は必ずしも明るいとは言えないのかもしれない。
(文=永田因)

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