【外交官が語る】UFO熱に取り憑かれたグレナダ元首相 ― 国連をも動かした男
■ついに、UFOに関する国連決議が採択!
このように、一度は各国から軽くあしらわれてしまったゲイリー首相の主張。果たしてその後、どのような展開を見せたのだろうか。外交官はさらに話を進めた。
「いや、しかしゲイリー首相はこの程度ではくじけなかったのです。1978年の国連総会で、彼は再びUFO問題を持ち出しました。しかも今度は、UFO研究家のJ・アレン・ハイネック、ジャック・ヴァレ、スタントン・フリードマンに加え、かの有名な『コイン事件(1973年に米軍機がUFOと接近遭遇した事件)』の当事者であるローレンス・コイン中佐をグレナダ代表団の一員に加え、国連の場で発言させたり、UFOフィルムの上映を行ったのです」
その時も「グレナダ以外に発言する国はなかった」ということだが、ゲイリー首相の念願叶って採択された決議案には、「関心のある国がUFOを含む地球外生命体の研究を行い、国連事務総長に報告するよう求める」との内容が盛り込まれた。言うなれば、対応は関心のある国に任せるということだったわけだが、いずれにしても、UFOに対するゲイリー首相の熱意に、国連が動かざるを得なかった出来事だといえるだろう。ちなみにこの国連決議「33/426」と、この決議を実行に移そうとする近年の動きについては、過去に「ドイツにUFO着陸場が完成」の記事でもお届けしたので、参照していただきたい。
さて、外交官は「このままゲイリーが首相の座に留まっていれば、国連でのUFO問題はその後も繰り返されたことだろう」と語る。しかし、ゲイリー首相は1979年3月、共産主義勢力のクーデターで国を追われてしまった。
その後の彼は1983年、母国への帰国を果たすが、結局首相に返り咲くことはできず、1997年に他界している。果たして国際政治の舞台において、彼の意思を引継ぐ政治家が再び姿を現す時は来るのだろうか。
(文=櫻井慎太郎)
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