恐竜の中身 ― 化石が物語る、驚異の自然治癒力が明らかに
7,200万年前の恐竜の骨を調査した結果、恐竜が難しい病気や激しい外傷から自然治癒していた痕跡が発見された、と英「Daily Mail」が報じている。
■恐竜の恐るべき自然治癒力
調査対象は北アメリカに生息していた、約8メートルほども高さのある肉食恐竜、ゴルゴサウルス(ティラノサウルスの祖先)の化石である。
恐竜は最終的な死を迎える前に、何回かの大怪我を負っていたことが判明した。右足に複雑骨折、左足も骨折、前腕と尾にも損傷が認められたという。さらには、細菌性感染症によって顎骨が腐食した痕跡があり、癌にさえかかっていただろうと推測されている。
だがなんと、それら全てに自然治癒した様子がみられるという。この珍しい化石を分析することで、この恐竜が幾多の外傷や感染症にも打ち勝ち、最終的な死亡原因はおそらく脳腫瘍であったことが判明したのだ。
■免疫力強化の可能性を拓く恐竜のDNA
英マンチェスター大学の博物学者ヒル・マニング教授は、今回「Sunday Times」の取材に対し、「ゴルゴサウルスの1つ1つの骨を分離してみたとき、かなり深刻な損傷を負っていることは明らかでした。さらに信じられないことに、それらの外傷には自然治癒したサインが見られ、生き続けていたのです。もし我々人類が同様の傷や病気を負っていたとしたら、とても生き延びることはできないでしょう」とコメントしている。
またマニング教授は、恐竜の尾の椎骨2本が結合していることを発見したが、これが癌によって引き起こされたものだと指摘する。教授は「このような病理学的発見は、生物学と生理学の分野で、絶滅した肉食動物について研究する際に重要なものです。恐竜の抗体の研究は、我々自身の免疫(自己防御機能)をアップさせる薬の開発に役立つのです」と明かす。
さらに教授が古代の恐竜のDNA系統を調べていくと、それらの一部が現代の動物に受け継がれている可能性があることも判明したようだ。今回の研究結果は、6月に英国で開かれた科学シンポジウムで発表された。教授は、これからも研究を進めることによって、人間が細菌感染と闘うヒントを得たいとしている。今後の進展に期待したい。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Daily Mail」、「International Business Times」ほか
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