撮影:鈴木信彦
ーー鈴木さんはよく音楽を聴きながら撮影をしていますが、どんな音楽を聴いているんですか?
鈴木氏 ジャズとかイギリスのロックが多いです。あとは、常にマイブームみたいなものがあって、その時々に街で流れている、たとえばコールドプレイとかアークティックモンキーズとかミューズとか、最近だとフォスターザピープルとかを聴いていますね。それをずっと繰り返してます。ジャズはマイルス・デイビスとかのスタンダードなものやスムースジャズが多いかな。聴いて心地よくなりながら、時折ビールとかチューハイを呑みつつ撮ってます。って、ただの酔っぱらいみたいだけど(笑)、街にいるっていうだけで写真を撮らなくても面白いですからね。
ーー毎週土曜日に渋谷で撮影しているそうですが、ほとんど決まった曜日の決まった時間に撮影していると、出会いみたいなものはありますか? たとえば、女の子に声をかけられるとか。
鈴木氏 話しかけられることはありますよ。「ライター貸してください」とか「写真を撮ってもらえませんか?」とか「道を教えてもらえませんか?」っていうのはあります。でも、そこから親しい関係に繋がるような出会いはありません。毎週土曜日にあのあたりでたむろしている人達に顔は憶えられているかもしれないです。でも、知り合って顔見知りになると、いちいち挨拶しなきゃならなかったりもっと面倒なことになる可能性もあるでしょう。写真が撮りにくくなると思います。だから、呼び込みの人とかいつもあの周辺にいる人をできるだけ邪魔しないように、自分が怪しい人間だと誤解されないように気を遣っています。だから、積極的に仲良くなったりすることはないですよ。所属している世界が違うし、お互いに侵しちゃいけない領域があると思うから。