撮影:鈴木信彦
ーー最初からストリートスナップを?
鈴木氏 本当に撮り始めの時期はバンドブームの頃の原宿のホコ天に行って撮ったり、ホント、なんでもないものを撮っていました。そうこうしているうちにカメラ雑誌を読んだりして写真の撮り方がだんだん解ってくるに従って、テーマを決めて作品的なものをしっかりと撮りたいなって思うようになったんですね。それで、当時六本木によく遊びに行っていたから、街にいる黒人とかバーのある風景を撮っていました。六本木って結構黒人が多くて、『NEWYORK』のイメージと重なるところがあったんです。
ーー渋谷を撮り始めたのはいつ頃からですか?
鈴木氏 1993年か1994年くらいからです。その前は、下町ばっかり撮ってたんですよね。1999年頃まではモノクロで渋谷だけじゃなく新宿も撮っていました。で、たまたま街を歩いている女性の写真を撮り始めた頃に、カメラ雑誌の月例コンテストに出したんです。そうしたら、選者だった写真家の田村彰英さんが「これは新しい写真だ」ってものすごく褒めてくれて。それで僕もその気になっちゃんたんですよ。そのあたりから、今撮っているのと近いイメージになってきたんだと思います。女性を撮るのと同時に新宿のホームレスとか、こう人生感の溢れる人達も撮っていたけれど、基本的に撮っていたのは人ばかりでした。