「地球史上最も危険」白亜紀の巨大肉食恐竜、スピノサウルスは水陸両生の最強怪獣だった?

 これまで、白亜紀における地上最大の暴れん坊といえばTレックス、つまりティラノサウルスに他ならなかった。しかし、ここにきて全く新しい事実が判明。米科学誌「サイエンス」によると、ティラノサウルスよりさらに巨大な肉食恐竜・スピノサウルスこそ真の王者だったのでは…? というのだ。


■遂に揃ったスピノサウルスの骨

「地球史上最も危険」白亜紀の巨大肉食恐竜、スピノサウルスは水陸両生の最強怪獣だった?の画像1Daily Mail」の記事より

 スピノサウルスが世に知られるきっかけとなったのは、今から約100年前、ドイツの古生物学者エルンスト・シュトローマーがエジプトで化石を発掘したことに遡る。しかしその後、ミュンヘンの博物館で保管されていた化石は1944年に第二次世界大戦で爆撃され、ほとんど破壊されてしまった。つまり、残存するスピノサウルスの化石の多くは、アフリカ大陸で見つかった断片的なものばかりで、爆撃により粉々になった世界で唯一のスピノサウルスの化石は、永久に失われてしまったと思われていたのだ。


■6年前に、再びスピノサウルスが発見されるが…

 ところが2008年。モロッコ南東部、サハラ砂漠のケムケム化石層国定公園で、地元の化石ハンターが恐竜の骨の一部を発掘しニュースになった。これがどうやらスピノサウルスらしい。しかしその後、ハンターは行方不明となり、「口ひげの謎の男」としかわからなかったため万事休す状態に。だが、昨年になってようやく男が見つかり、科学者は無事に発掘場へと案内されたのである。そして頭蓋骨、脊柱、骨盤を含む大部分の化石が発掘されることになった。

 こうして、砂漠で見つかった新しい化石と世界中の博物館に散らばっていた化石の破片、さらにシュトローマーの調査書を手掛かりに骨格構造が調べられ、約9,700万年前に生きていたスピノサウルスは徐々にその全貌を現すことになったのだった――。

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