霊を物質化、予言が的中、宝くじも大当たり!! ~「ジン」を操るダーヒシュ博士の神通力列伝~
ある時、レバノン南部に居住する貧乏なイスラム教シーア派住民が、ダーヒシュ博士のもと訪ねてきた。彼らは、自分たちの住む地域に病院を建てるよう政府に働きかけていたのだが、一向に話が進まないので、博士に力添えを求めに来たのだ。
住民代表と面会したダーヒシュ博士は、彼らに宝くじを買ってくるよう述べる。そして1人が宝くじを買って戻ると、ダーヒシュ博士はその番号を控えた。そして後日抽選が行われると、なんと代表団の持つくじが一等に輝いたのだ。ところが不思議なことに、賞金の支払い場所には、まったく同じ番号のくじを持つ人物がもう1人現れたという。レバノンの宝くじ協会は困ってしまったが、どちらも偽物とは思えなかったため、結局賞金は両者に支払われることになった。
じつは代表団が購入したくじの番号が、抽選日を迎えると当選番号へと変化していたのだという。代表団が博士にこのことを伝えると、ダーヒシュ博士は「あなたがたが病院を必要とするということでもなければ、くじの番号を変えたりはしないのだがね」と笑ったとされる。
ダーヒシュ博士には他にも、「パリで棺に入ったままセーヌ川に沈められたが、1週間後にぴんぴんして現れた」とか、「1943年にアゼルバイジャンで彼自身の死亡が確認されたが、その後何事もなかったかのように生還した」などの話が残っている。
美術品の収集家としても知られるダーヒシュ博士は、1975年にレバノン内戦が始まると、自分のコレクションとともにアメリカに移住、1984年にニューヨークで死去した。博士が実際にジンを使役していたのか、それとも全ては何らかのトリックだったのか、今となっては不明である。しかし生前の彼が唱えた、一種の心霊主義である「ダーヒシズム」という独自の教えは、現在もレバノンやアメリカを中心に数千人の信者を擁し、ニューヨークには彼のコレクションを基に設立された「ダーヒシュ美術館」さえ存在するほど、現在も強い影響力を保っているのだ。
羽仁礼(はに・れい)
一般社団法人潜在科学研究所主任研究員、ASIOS創設会員
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