「イスラム国」騒動と日本のカルト教団の不気味な接点 ― 高学歴者を魅了するテロ

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【事件記者が綴る暗黒のアナザーストーリー「悲劇の現象学」シリーズ】

【イスラム国とカルト教団】

 イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」に加わるために北海道大学の男子学生(26)が海外渡航を企てたとして警視庁に身柄を拘束された事件。騒動に関わった人物とある新興宗教団体との接点が浮上している。無差別テロなどで29人の死者を出したカルト教団の系譜を受け継ぐ団体と「イスラム戦士志願者」をつなぐ“点と線”とは…。

 事件の発端は、東京都千代田区のJR秋葉原駅近くの古書店に張り出されていたチラシだった。

 今年4月ごろ、古書店関係者が、「求人 勤務地シリア 詳細、店番まで」などと記された“求人広告”を張り出し、そこに学生が応募したことで騒動に発展した。
 
「この古書店関係者は、周囲から『大司教』と呼ばれている人物。東大理学部数学科を中退した秀才で、『アジト』と称したシェアハウスを杉並区などで運営していた」(捜査関係者)

 この「アジト」には、北大生も含めた「大司教」のシンパが集団生活していたという。

 一方、この「大司教」とは別に、今回の事件のキーマンとなったのが、元同志社大学教授でイスラム法学者の中田考氏(54)だ。

 捜査関係者らによると、中田氏は、「大司教」から相談を受け、シリアへの渡航を仲介したという。事件が発覚した7日には、中田氏の都内の自宅も警視庁公安部の家宅捜索を受けている。

 「中田氏は、昨年から『イスラム国』の支配地域への渡航を繰り返し、組織の幹部と独自のパイプを築いていた。自身もイスラム教徒で、イスラム文化について造詣も深い。公安は早くから中田氏をマークしていて、今回の件も、彼が持つ情報を入手しようとする公安の思惑が働いて、これほどの騒ぎになったと聞いている」(全国紙社会部記者)

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