【3.11震災から4年】被災地で幽霊目撃談が多い本当の理由
M9.0の巨大地震と、それに伴う大津波によって、15,800人以上の犠牲者を出すという未曾有の大災害からちょうど4年が過ぎた。震災直後から、被災各地で囁かれていたのが「幽霊が出る」という類の噂である。当然、このような幽霊話は多くの犠牲者に対して不謹慎とされ、避難所などではタブーとして扱われてきたようだが、そこに「癒し」を見出す人々も少なくないという。果たして、震災に際して幽霊話が本当に「不謹慎」なのかどうかを考えてみることにしたい。
なお、筆者は超常現象研究家として40年以上にわたって心霊現象などを研究してきたが、今回の記事は3.11にまつわる幽霊話の真偽を確かめるものではなく、そのような話には人々にとってプラスとなる要素があるかどうかを探求するものである。幽霊話の真偽についての考察は、また別の機会に譲ることにしたい。
■数々の幽霊話、真剣に報じるマスコミ
さて、3.11から1年ほどが過ぎた頃から、避難所やネット上では様々な幽霊話が語られるようになっていた。多くの死者が出た大震災の後では、このような幽霊話はつきものだが、3.11の場合、いつになく多いようなのだ。以下は、その一例だ。
・ 夜になると大勢の人たちが走る足音が聞こえる
・ 津波で瓦礫となった車の中を、1台ずつ覗いていく子連れの女性がいる
・ 行方不明者の家族の枕元で、「見つけてほしい、埋葬してほしい」と声が聞こえた
・ 仮設住宅で、夜な夜な「寒い」といった呻き声が聞こえる
・ 夜中に停車しているタクシーに近寄ってきて、「自分は生きているのか死んだのかわからない、乗せてもらえないか」と語りかける女性がいる。乗せると、いつの間にか後部座席から消えている
また震災の翌年3月には、AFP通信が「東日本大震災から1年、石巻で語られる『幽霊』の噂」という記事を掲載している。それによると、宮城県石巻市では、さまよう霊たちのせいで修復工事が中断してしまった現場さえあるという。
このような噂を無視できないと思ったのか、なんとNHKまでも、2013年8月23日に「亡き人との“再会”~被災地 三度目の夏に~」という番組で、“震災幽霊”の話を真剣に取り上げた。それは、故人と「再会」したという4人の人物の不思議な体験を紹介するというものだった。津波で3歳の息子と死に別れた母親の場合、子どもが遊ぶ気配を感じると、アンパンマンの乗り物のオモチャのスイッチが勝手に入ったのだという。これまで、超常現象や心霊ものを退けてきたNHKとしては考えられないような番組である。
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