世界でたったの35例の奇病「水アレルギー」 の美少女=アメリカ

■汗をかくことすら命取りに

 アレクサンドラさんは生活する上で、可能な限り水を避けるようにしている。自分自身の汗すらも命取りだという。汗をかかないように、運動はクーラーで空調管理されている場所でしか行えない。「精神的にも身体的にもとても辛く、厳しいです」とインタビューでその心情を吐露している。

 炎症を起こした肌は「まるで紙ヤスリでこすられたような激痛が走ります。次第に痛痒くなってきますが、でも絶対に掻いてはダメなんです。もっと酷くなって、出血してしまうから」と話す彼女。汗のみならず、涙が頬を伝うことすらも危険なのだという。

 同じ病気の患者はアナフィラキシーショック(急性の全身性かつ重度なアレルギー反応)で死亡してしまう可能性もあり、年齢が上がるにつれてその危険性が増してしまうという。

 研究者によれば、水アレルギー患者がじんましんを発症するのはヒスタミンが引き起こすアレルギー性のものではなく、水の中に含まれる塩素のような、なんらかの化合物が要因となって、皮膚に物理的刺激が加わることによるものだということである。アレルギー疾患ではなく皮膚疾患であるため、体内の水分は害をなさないそうだ。

 だが、この困難な状況でもアレクサンドラさんは前を向いている。

「私は自分がラッキーだと考えるようにしています。他の難病と違って多少なりともコントロールできるし、耐えられるものだから……」

 将来は海洋生物学者になりたいと語るアレクサンドラさん。多くの人から励ましと賞賛の声が届いているそうだ。
(文=Maria Rosa.S)

参考:「Daily Mail」、「ABC News」、「Deseret News」ほか

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