「土下座すれば許してやる」TBSブルーリボン問題をめぐる抗議行動に行ってみたら…
日本列島に台風が接近する今月8日午後、ドラマのなかで悪徳政治家に拉致被害者救出運動のシンボル「ブルーリボン」をつけさせたとして批判を浴びるTBS前で抗議行動が展開された。参加者は今回のブルーリボン騒動にとどまらず、これまでのTBSの報道姿勢を「反日」と批判。大ヒットを飛ばしたドラマ『半沢直樹』(TBS系)になぞらえて、プロデューサーに土下座が“唯一の解決策”と迫る場面もあった抗議行動は、TBSにとって嵐を呼ぶ存在となるのか。
抗議行動が始まったのは、前日から降り続く雨が一段と激しさを増した午後3時半。東京・赤坂のTBS本社前に、「TBSは拉致問題関係者と国民に謝罪せよ」と書かれた街宣車が乗り付け、車の下には「反日放送局」「中国の言い分のみを報ずる」のプラカードやブルーリボンを模した青い旗を持った参加者が列をなした。
主催する「頑張れ日本!全国行動委員会」の水島総幹事長を皮切りに弁士が次々登壇。必然性のないドラマであえて“悪役”にブルーリボンをつけさせたことを「ブルーリボンをつける政治家は腹にいちもつを抱えていて、逮捕される存在と印象づけようとした」などと批判し、またTBSがホームページに掲載したこの騒動に対する釈明が、「お知らせ」と書かれていたことについて「お詫びし、説明するべきだ」と指摘した。
批判対象は今回のブルーリボン問題にとどまらず、2003年に石原慎太郎都知事(当時)の日韓併合に関する発言で事実と異なるテロップをつけた問題など過去の報道姿勢にまでのぼった。さらに弁士たちは、「こんな放送局はいらない」「放送法違反だ」と気勢をあげる。ついには、今月13日に東京・日比谷公会堂で開かれる拉致問題解決を目指す国民大集会で番組プロデューサーが土下座をすれば、「許してやる」という発言まで飛び出した。
テレビ局の報道姿勢をに対する抗議活動で、印象的なのは2011年のフジテレビをめぐる騒動だ。この時は、韓国に偏向した報道姿勢だと批判が殺到し、東京・お台場のフジテレビ本社前には若者を中心に600人を超えるデモ隊が詰め掛ける事態にまで発展した。直接の因果関係は不明だが、その後のフジテレビといえば、視聴率が低下の一途をたどり、ついにはテレビ東京に肉薄されるありさまだ。
TBS前での抗議行動の参加者数は、目算で30~40人といったところ。激しい風雨のためか、聴衆も少なく警備にあたった警察官の方が多いほどだった。時折TBSの社員証をつけた人も通りかかったが、わずかに足を止めるだけで耳を傾ける気配もなかった。ただ、ネットを中心にTBSを批判する声は高まっており対応を誤るとフジテレビの二の舞になりかねない。
視聴者としてはバッシングによる低視聴率争いなど、見たくもない。土下座とはいわないが、誠意ある対応をお願いしたいものだ。
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