島根県「乙女峠」の聖母マリア出現事件!! 拷問に耐えた隠れキリシタンはそのとき何を聞いたのか?
「神父様、ここにおります者たちは、皆あなた様と同じ心でございます」
それからこの婦人は神父に尋ねた。
「聖母マリア様の御像はどちらにありますか」
神父が祭壇右にある聖母マリア像へと案内すると、一同は口々にこう言って像の前でひざまずいた。
「本当に聖母マリア様だ! 見てごらん、御子イエス様を腕に抱いておられる」
この出来事は、日本におけるキリスト教史の観点から「信徒発見」と呼ばれることとなった。「島原の乱」以来200年以上の間、キリスト教徒たちが禁令の中で密かに信仰を保ってきたという、世界的にも例のない事件である。
■乙女峠の聖母マリア出現事件
しかしこの時、連綿と続いてきたキリスト教禁令はまだ解かれたわけではなかった。「信徒発見」直後に明治維新が訪れたが、「浦上四番崩れ」と呼ばれる迫害が本格化したのは、じつは明治になってからのことだった。当初の新政府は、天皇中心の国家体制を築くためキリスト教信仰を引き続き禁止したのだ。
こうして長崎で名乗り出たキリスト教徒たち3,400人は囚えられ、萩、津和野、福山、名古屋など20箇所に流罪となる。明治4年(1871年)の廃藩置県はこの2年後のことあり、こうしたキリスト教徒の扱いは、当時まだ存続していた各藩の判断に任されていた。28人が送られた津和野藩は当初、神道による教化で改宗させようと試みたが、彼らの信仰は固く、効果がないとわかると苛烈な拷問が始まった。
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2024.10.02 20:00心霊島根県「乙女峠」の聖母マリア出現事件!! 拷問に耐えた隠れキリシタンはそのとき何を聞いたのか?のページです。キリスト教、聖母マリア、羽仁礼、奇跡、拷問、島根県、明治、江戸などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで