【閲覧注意】リスの死体の穴から出てきたものとは?
下のリスの死体の画像を見てほしい。つぶらな目を見開いて死んでいるリスの肩から、何か黒い物体が蠢きながら今にも飛び出そうとしている。そして、この物体が出た後のリスの死体にはぽっかりと大きな空洞が残されている。エイリアンの様におぞましいこの物体は一体、何なのか?
■ほ乳類の皮膚に寄生するハエ
この物体は「リスバエ(Tree squirrel bot fly)」と言われるハエの幼虫で、「ヒツジバエ科」に属するハエだ。この種のハエの幼虫は哺乳類に寄生し、ハエ幼虫症を引き起こす。寄生主により「ウシバエ」「ヒトヒフバエ」「ヒツジバエ」「ウマバエ」「イヌバエ」等と異なる名前を持つらしい。リスの場合は毛皮に付いているリスバエの卵が幼虫となり、口や鼻、もしくは皮膚の傷口から入り込み、リスの体内で十分に成熟した幼虫は、体から飛び出て土中でさなぎになる。写真の黒い物体はこのハエのさなぎだ。
傷口から寄生する場合、体の傷口は蚊に刺された位の小さなものでも、ハエの幼虫にしてみれば入り込むのに十分な大きさだ。そして寄生主の肉を食べながらどんどん大きくなる。このハエの幼虫が動物の体内でさなぎに育つまでには数週間から数カ月かかると言う。
この動画でもわかるが、ハエのさなぎが飛び出た後の傷口はかなり大きな空洞になっている。そこで寄生主はこのハエの幼虫に食い殺されるのかと思うが、意外にも寄生主が命を落とすことは稀なのだという。
■人間にも寄生
ヒトヒフバエは体長15~18mmで直接、人間の体の傷に卵を産み付けたり、蚊やサシバエを中間寄生主として利用する。蚊やサシバエの体の表面に卵を貼り付けるように産み、卵を体に付けた虫たちが人間の血を吸う時に小さな傷口から人間の体内に侵入するのだ。幼虫は寄生後、呼吸の為に気管を皮膚の表面近くまで伸ばしているという。
さて駆除法だが、寄生されている部分の皮膚に小さな穴があるはずなので、ピンセット等で幼虫を取り出す、または切開すればいい。取り出しにくい場合には、穴を軟膏等で塞ぐと幼虫は呼吸できなくなり、外へ這い出して来ると言われている。
このハエの幼虫はまさにエイリアンそのもので何とも気味が悪い。動物の体内に入り、寄生主の肉を食べながら体内の奥に突き進み、成長したら飛び出てくるのだ。幸いなことに現在、人に寄生するハエは南米でしか見つかっていないらしいが、いつ飛行機に紛れ込んで日本にやってくるとも限らない。備えあれば憂いなし。まずはこのハエの存在をしっかり覚えておきたいものだ。
(文=三橋ココ)
参考:「National Geographic」、「Featured Creatures」ほか
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