凡人が真似できる天才　ルネサンスの巨匠ラファエロ・サンツィオ

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■調和する天才、ラファエロ

「ガラテアの勝利」

　ラファエロという人は強烈な個性でグイグイ人を惹きつけるというタイプでなかったため、かえって彼の流派が普及したところがある。

　そんなラファエロの絵の不思議なところは、近代建築のインテリアなどにも合うことだろうか。モダンアートなどと一緒にこの人のレプリカを置くと、意外にもラファエロの方がポップで軽やかだったりする。

　特に天使の絵などは、パーツで見るとポップそのもの。ルーヴル美術館などのミュージアムショップには、ラファエロの天使をあしらったTシャツやマグカップなどのグッズが数多く置いてあり、これが意外によく合っているのである。

　美術館で見るのとはまた違ったラファエロが発見できるのも一興なのだ。

■小暮満寿雄（こぐれ・ますお）
1986年多摩美術大学院修了。教員生活を経たのち、1988年よりインド、トルコ、ヨーロッパ方面を周遊。現在は著作や絵画の制作を中心に活動を行い、年に1回ほどのペースで個展を開催している。著書に『堪能ルーヴル―半日で観るヨーロッパ絵画のエッセンス』（まどか出版）、『みなしご王子 インドのアチャールくん』（情報センター出版局）がある。
・HP「小暮満寿雄ArtGallery」
・ブログ

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