70年間、無人にもかかわらず家賃が払われ続けた「時が止まった部屋」の秘密=パリ

■驚きの鑑定結果、隠された部屋の秘密

timeparis3画像は「Twistedsifter」より

 ピンクのイブニングドレスを着た妖艶な女性の肖像画は、同行していた鑑定士が一目で「これはとんでもない発見に違いない、あのボルディーニの未発表作だ!」というほど美術的に価値あるものだったのだ。ジョヴァンニ・ボルディーニは、イタリアの印象派画家で、ベル・エポック時代のフランス・パリ社交界の肖像画家として時代を代表する画家である。しかしこの作品は一度も展覧会に出品された記録もなく、ボルディーニの作品かどうか正式な鑑定に困難が予想された。

timeparis1画像は「Wikipedia」より

 しかし、ボルディーニ自身からフロリアンさん宛てに送られたラブレターが発見されたことで、当時ボルディーニとフロリアンさんは恋愛関係にあり、さらにはこの肖像画のモデルがフロリアンさん自身だとわかったことから、この絵は間違いなくボルディーニの未発表作品であることが判明した。

 しかも、フロリアンさんが魅了したのはボルディーニだけでなく、リボンのかかったラブレターの中には当時のフランス首相ジョルジュ・クレマンソーからの手紙などもあったというから驚きだ。

 最終的な鑑定結果より、この絵は、1894年にフロリアンさんが24歳の時に描かれたものだと判明した。この147cm×114cmという大きな肖像画はオークションにかけられることになり、初値からうなぎのぼりに上がり、なんと210万ユーロ(日本円にして約2.6億円)という記録的な高値で落札された。これはボルディーニの作品の中で最も高い作品となった。

timeparis2画像は「Twistedsifter」より

 ちなみに、フロリアンさんが一度も帰ることがなかった部屋に70年間家賃を払い続けた理由は、この若き画家との秘密の恋部屋だったからである。今では遺族があとを継いで家賃を払い続けているそうだ。

 第二次世界大戦という悲劇によって生まれたなんともロマンチックな話である。この部屋が公開されるかは未定だが、二人だけの秘密の部屋ということでそっとしておいてあげたい気もする。

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参考:「Twistedsifter」など多数

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