我欲の欲するままに男を殺し続けた「明治の毒婦」高橋お伝の墓に参拝客が絶えない本当の理由
2016.02.22 10:00
とかく、現代の我々が「明治の毒婦」というフレーズを聞くと、どうしてもその後の世で起きた事件における女性犯罪者たちの姿を重ね合わせてしまう。だが、いきなりヤクザ者と恋仲になってしまったり、殺害されてしまったとはいえ、大店の主人である吉蔵のような男からも惚れられたことを思えば、ひとりの女性として見た場合、やはり彼女には、何らかの魅力があったのだと思われてならない。
実際、その若き頃に夫とした浪之助に対しては、その臨終の間際まで彼女は献身的な看病を続け、その姿は、まさに良き妻そのものであったという。逆に言えば、巷で良妻賢母と謳われるどんな良き妻であっても、ある日突然見舞われる思わぬ不幸から、「毒婦」へと、その身を落としてしまうものなのかもしれない。
(写真/文=Ian McEntire)
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