我欲の欲するままに男を殺し続けた「明治の毒婦」高橋お伝の墓に参拝客が絶えない本当の理由
時代劇を見ていると、しばしば、奉行所の白州に引き出された罪人が、「打ち首獄門」を申し渡されるシーンに出くわす。この「打ち首獄門」とは、文字通り、日本刀でその首を切断し、処刑する刑罰のことだ。さらにその後、落とされた首を市中に晒して見せしめにするという内容のものであった。
実はそんな「打ち首」の刑に、諸説はあるものの、日本最後に処されたとされるのが「明治の毒婦」として名高い高橋お伝(1850~1879年)である。
東京・台東区にある谷中霊園の片隅に立つ公衆トイレ。その傍らに目をやると、「甲2号1側」と記された区画標のすぐ脇に、供養碑のような独特なフォルムが印象的な石版がひっそりと佇んでいることに気づかされる。そこに記されているのは「高橋お伝の墓」。そう、己が我欲の欲するままに、次々と男たちを手にかけたとされる「明治の毒婦」お伝の墓である。
俗に、日本の『新・三大毒婦』といえば、幕末から明治にかけて事件を引き起こしたこの高橋お伝、昭和11年に性交中の男性を殺害してその局部を切り取った元芸妓・阿部定。そして、和歌山毒物カレー事件の首謀者として逮捕された林真須美受刑囚と、明治・昭和・平成の三時代にその名を馳せた彼女たち3名の名が挙げられる。
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