なんだこのフェロモンは! 昭和のまま時間が止まった伝説の自販機空間(茨城県)
2016.03.03 14:00
■昭和のまま時間が止まった空間
弁当を食べ終えた後で、漫然と店内を散策してみると、昭和期に一斉を風靡したゲーム卓が、今なお「現役」の状態で稼動しているところに出くわした。温かみのあるその独特な光は、当時を知る者ならばついついひかれてしまう独特のフェロモンを放っているようだ。また、なんとも気だるい雰囲気で周囲を徘徊する名物猫も、今が平成28年であることすら忘れさせるには充分すぎる存在と言える。
その全盛期とは違い、街道筋に立つ自販機主体のオートコーナーは、今や多くの人々にとっては、「古ぼけた謎の施設」でしかないかもしれない。また、弁当を補充しに来た女性のごとく、それが人力に頼らざるをえないものである以上、こうしたたたずまいを満喫できる時間は、そう遠からず終焉を迎えることであろう。とはいえ、少なくともその日が訪れるまで、暗闇の中にぽつりと現れるその灯りは、ドライバーたちを含む近隣の人々に、つかの間の安らぎを与え続けることになりそうだ。
(写真/文=Ian McEntire)
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