ドイツ人冒険家がミイラ化遺体で発見される! 幽霊ヨットに残された謎のメッセージ
■ミイラ化死体と船内に残されていたもの
マンフレッドさんは、キャビンの机に突っ伏すような姿勢で息絶えていた。手元には無線機が転がっており、最期の瞬間まで外部との交信を試みていたことがわかる。外傷を受けた痕跡はなく、現在のところ正確な死因や死亡時期は不明となっている。遺体は腐敗した後、潮風と高い気温によって白骨化を免れ、ミイラ化したものと考えられている。
また、半分浸水したキャビンの床には衣類や書類、缶詰などが散乱していたが、その中にマンフレッドさんの家族写真がぎっしりと詰まったアルバムも発見された。2008年、彼は冒険中に長年連れ添った妻クローディアさんと離婚したが、その2年後、クローディアさんはガンによって53歳の若さでこの世を去っている。そして現在、一人娘のニーナさんは貨物船の船長として働いている。発見されたアルバムには、家族が一番幸せだった時期の旅行写真や、娘の成長記録が多数含まれていた。クローディアさんとの離婚・死別を経てもなお、マンフレッドさんが元妻と一人娘を愛し続けていた事実がうかがえるという。
なお、ミイラ化死体は現在、ミンダナオ島ブトゥアンの病院に収容されている。警察や法医学者は、ヨット内にほかの人間がいた痕跡がなく武器も見つかっていないことから、マンフレッドさんが事件に巻き込まれた可能性は低いと考えているようだ。「Bild」紙のインタビューを受けたドイツ・ケルンの法医学者も、「彼の座り方が、その死が予期せぬものであったことを物語っています。恐らく心臓発作でしょう」と語っている。
ところが、捜査員たちを戦慄させているのは、まるで自らの死を悟っているとも受け取れる不思議なメッセージが船内に残されていたことだった。
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