「死体をバラバラにして、顔の皮をキレイに剥がす」ブラジル・スラム街に住む男に聞いたファベーラの日常!

 近年日本へやってくるブラジル人は増加している。地方にはブラジルタウンもある。代々木公園で開催されるブラジルフェスティバルでは、日本に住む多くのブラジル人が集まり、ブラジル料理の屋台やサンバ、陽気で気さくな会話で楽しい時間を過ごさせてくれる。

 日本では、サンバとサッカーで有名なブラジルだが、実はファベーラというスラム街が、ブラジル国内の大都市に存在している。映画「シティ・オブ・ゴッド」は、ファベーラの様子が描かれている貴重な映画だ。また「バス174」というドキュメンタリー映画もファベーラ問題について取り上げているので、関心のある方は観てみるとよいだろう。

「死体をバラバラにして、顔の皮をキレイに剥がす」ブラジル・スラム街に住む男に聞いたファベーラの日常!の画像1画像は、「シティ・オブ・ゴッド」公式サイトより


■ファベーラ出身のカルロスと出会って

 10年ほど前、俺にはブラジル・リオデジャネイロ出身のカルロス(仮名 40代男性)という友人がいた。浅草で知り合ったカルロスは、ブラジル、ヨーロッパ、日本を一年中旅しているブラジル人で、カメラマンでもあり、非常に陽気で気さく。女ったらしでスケベな面白いヤツだった。

 だがある日、そんなカルロスの様子がいつもと全く違っていたのだ。ちょうど、映画「シティ・オブ・ゴッド」が上映されていた頃だった。「どうしたのか?」と尋ねたところ、ブラジル人の友人と揉めたと言う。「あいつは許せない」と怒っていて、かなり物騒なことまで言い出した。なんとかカルロスを落ち着かせようとじっくり話を聞いたら、自分がファベーラに住む人間だということを話してくれた。


■リオデジャネイロのファベーラ

 カルロスが言うには、リオデジャネイロのファベーラでは、ギャングの抗争は当たり前のように起きているという。どのギャングに所属しているかはタトゥーによって見分けるらしく、実際カルロスも腕にタトゥーがあった。「このタトゥーがギャングの証になるから、見える場所にいれている」と、彼は言っていた。

 ファベーラ内の縄張りの境界線は、外部の人間ではほぼわからない。以前、俺の日本人の友人がカルロスの家に遊びに行った。そのときの話によると、まずカルロスの所属する縄張り内のギャングたちに紹介されたらしい。紹介がないと、「知らない人間がうろついている」として、殺される可能性があるのだという。また、ドブのような細い川を目印に、そこから向こう側に行ったら命の保証はできないと念を押されたそうだ。ギャングの縄張りは、住んでいる人間にしかわからない。だから「川」の目印を教えてくれたということだ。

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