匂いを視覚化した「スメリーマップ」 ― 新しい街の捉え方、匂いの地図

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 鰻屋は匂いで客をつるなんて言いますが、路地を曲がると思いがけず舌鼓を打ちたくなるような匂いに誘われてはっと辺りを見回すと美味しそうな飲食店があったなんて経験が一度はあるはず。最近、街の新しい捉え方として「スメリーマッブ」なる匂いの地図で街を見てみようという試みが行われた。匂いを視覚化するとどのようになるのであろうか。

■実際に英米7都市を嗅ぎ回る!

smellymap1.jpgゴミ箱の匂いを嗅ぎ分けるスコットランドからの参加者。画像は「The New York Times」より

 見知らぬ土地で行き交う人に道を聞いてパーフェクトな答えが返ってくることはそうそうない。ましてや道を教えた人がまた他の人に尋ねている光景を見た日には己の不甲斐なさを感じずにはいられない。そんな、今まで当たり前のように行われていた「言語による方向の説明」を完全に排除してしまおうというプロジェクトが現在進められているのだ。プロジェクトリーダーであるケイト・マクリーンは芸術家兼デザイナーで、情報エクスペリエンス・デザインの博士号を取得している。このプロジェクトは方向認識において今まで無視されてきた嗅覚に光を当てた新しい認識方法なのだ。

 我々はフレッシュなホットチョコレートと、フレッシュなホカホカの犬のうんちを嗅ぎ分けることはできる。人間の嗅覚は優れたもので、なんと1兆もの異なる種類の匂いを嗅ぎ分けることができるのだ。これに倣って道案内すると例えばこんな感じだ、「まっすぐ歩いて行って爽やかな松の香りがしたら左に折れて、ゴミの臭いがしたらそこで右に曲がってください」と。

smellymap3.jpgフィールドワーク中のケイト・マクリーン。画像は「The New York Times」より

 ケイト・マクリーンに加え、匂いの地図「スメリーマップ」作成の協力者らとSNSを駆使し、ヨーロッパやアメリカ全7都市において実際に歩いてフィールドワークを行い、エリア別の匂いと、どういった匂いであるかを記録していった。公園の芝生の爽やかな香りもよくよく嗅ぎ分けば、近くに交通量の多い道路があれば排気ガスの匂いが交じるだろうし、香水をつけた女性が通ればまた変化する、一概に「爽やか」とは言い切れないのだ。悪臭とて、どのくらい臭いのか、調査メンバーはクンクン嗅いで回った。

 ロンドン、バルセロナの2つの都市では、TwitterやFlickrといったSNSを活用し、大勢から特定のタグをつけて投稿してもらいサンプリングして地域別に整理していった。この時用いられたさまざまな言葉をもとに、約300語からなる「都市の匂い辞典」が作られたのである。「アムステルダムはマリファナの匂いがすると皆が冗談半分に期待しますが、実際には運河の水、コーヒー、ワッフルの甘い香りが多くを占めています。また、エディンバラでは、市内の醸造所のせいで、麦芽エキスの臭いが周り数マイルまで漂っていました」、とケイト氏は語る。

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