5年前では絶対に撮影不可能だった5枚の写真! デジタル革命最前線
■動く写真? シネマグラフ
Instagramをはじめ、スマート・フォンの浸透によって今まであまり写真に縁のなかった人たちも写真に触れる機会が圧倒的に増えた。これはまさにSNSの恩恵であると言えよう。ひと時消滅したかに見えたGif画像も、最近また新しくパワーアップし「シネマグラフ」として再沸騰の兆しを見せている。シネマグラフとは写真の一部分だけに動きをつける手法で、部分的に視線を集めたりして不思議な世界観を作る手法のことである。
このVictoria Will氏による作品は、電話のダイヤルだけが回っている。シネマグラフは動画とも静止画とも違った独特の表現といえるだろう。
本格的に作る場合は、Photoshopなどの画像ソフトを用いて静止画と動画データから作成していくが、最近ではスマート・フォンのアプリで簡単に作ることが可能になっている。もちろんこれをプリントして紙上で動かすことはできないが、インターネット上での新しい表現の形と言えるかもしれない。写真以上、動画未満のシネマグラフ、今後いっそう流行ることは間違いなさそうだ。
■遂に超えた! 超高画質、1億画素の世界
よく勘違いされている方がいるが、写真の画質は必ずしも高画素だからいいというわけではない。画素とはそのセンサーがいくつに分割されているかを示す値であるが、例としてここに切手と大学ノートがあるとしよう。それらを両方1000万個に分割してみることを考えてみてほしい。デジカメでは共に1000万画素と呼ばれるわけだが、1つ1つの面積には大きな差がある。つまりデジカメにおいて重要なのは画素数ではなく、元のセンサーサイズなのだ。もし十分なセンサーサイズがあれば、400万画素程度のデータで、ある程度のクオリティを維持したまま畳一枚分の大きさにプリントすることは十分可能なのである。
今年の受注生産を開始した「Phase One」の中判デジタルカメラ「XF 100MPカメラシステム」は、センサーサイズが53.7×40.4mmと通常の一眼レフデジカメより遥かに大きい。あまり写真用語を使うと混乱されると思うので、大きなセンサーと高画素のスーパーダブルコンボが実現したと考えてもらえればよい。このセンサーサイズで1億画素、もうフィルム時代では得られなかった画質だ。
筆者はコダック製のCCDイメージセンサーを搭載した約4000万画素の「Pentax 645D」を日々使用しているが、センサーサイズが44×33mm と「Phase One XF」には及ばないものの、いわゆるデジ一と呼ばれるフルサイズ機と比較しても相当優れたデータを得ることができる。「Phase One XF」はボディーのみで600万円ほどだそうだ。非常に高価であることは間違いないが、デジカメ黎明期には今のiPhoneほどの画質でも目が飛び出るような値段であったことからすると安くなったものだと思うものだ。
今回紹介した以外にもさまざまなテクノロジーが進化し、デジカメにも応用されている。だからといって良い写真が大量生産されるかと言えば話は別だ。20世紀初頭、まだカメラ本体も大きく性能も決して良いとはいえない中撮影され、いまだに名作と呼ばれる作品は数多く残されている。良い作品には必ず撮影者の優れた才能も欠かせないのは事実であるが、このように新しい技術によって可能性が広がることは間違いない。しかし今後、AI技術によってロボットが写真を撮る時代も出てくるであろう。将棋や囲碁のように、ロボットのほうが優れた写真を撮る時代もそう遠くはないのかもしれない。
(アナザー茂)
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2024.10.02 20:00心霊5年前では絶対に撮影不可能だった5枚の写真! デジタル革命最前線のページです。アナザー茂、進化、デジカメなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで