ファンはがっかり? フレディ・マーキュリーの“超絶な声”の意外な謎が科学的に解明される
■「サブハーモニクス」を生み出す驚異の歌唱法
フレディの“七色の声”の秘密は喉の使い方にあるということだ。フレディがアカペラで歌う21の音源を分析したところ、ビブラートの周波数は7.0ヘルツというきわめて高い数値を示したという。研究チームは発声法において彼は“フォースの使い手”であったのだとすら言い及んでいる。
フレディは平凡な声域を補って余りある発声テクニックを駆使していたのだ。加えて、フレディの声には「サブハーモニクス」の振動があることも確認されたという。
サブハーモニクスは、ヴァイオリンの演奏で知られているスペック上は不可能な1オクターブ下の音を奏でる技術だが、この現象をフレディは喉を巧妙に動かして引き起こし、彼特有の“うなり声”を生み出しているということだ。
実験では、フレディの“歌まね”がうまいロック歌手になるべくそっくりに歌ってもらい、その喉の動きを毎秒4000フレームというハイスピードカメラで撮影した。そしてこのデータをもとに、フレディが生理学的にどのように喉を動かして発声していたのかを突き止めたのだ。フレディが“うなり声”をあげるときの喉の使い方は、もともと持っている声帯の能力の限界に到達することができるという。
「ビブラートの素早さとイレギュラーさを組み合わせるこの発声の特徴は、フレディ・マーキュリーがステージで魅せるエキセントリックで華々しい個性の演出に一役かっているのです」と論文中で述べられている。
ではこうした発声法、歌唱法はフレディが自ら編み出したものなのだろうか? これに近い歌唱法が喉歌(Tuvan、トゥバン)と呼ばれる、中央アジアのアルタイ山脈周辺の民族に伝わる特殊な歌い方だという。実はフレディ・マーキュリーの両親はペルシャ系インド人なのだが、ひょっとすると中央アジアに何かゆかりがあったのかもしれない? と、考えるのはやや想像を膨らませ過ぎかもしれない。はたしてフレディがあの“七色の声”をどうやって獲得したのか、それはあの世で故人に直接尋ねてみるしかなさそうだ……。
(文=仲田しんじ)
参考:「Daily Mail」ほか
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