ヒトゲノム合成計画発表に理学博士が警告!「悪夢です、別種の人類が創造される可能性も…」
「ゲノムプロジェクトによってヒトを初め、多くの微生物、植物、動物のゲノム情報が明らかになりました。ほんの10数年前、生物の全ゲノムを解読することは大ニュースでしたが、今では三面記事にもなりません。個々の遺伝子に関する知見も飛躍的に増えました。DNAの人工合成やゲノムのデザインを目的とする合成生物学という分野は現在非常に注目されています。3月には生存に必須な最小の遺伝子だけを持った細菌を作ったという発表もありました。続く段階として、ヒトゲノムを作りたいと考えるのはごく自然なことでしょう」
HPG-writeが成功すれば、生命科学や医学の発展に多大な貢献を果たすのは間違いない。しかしながら、この計画に異議を申し立てる人々も存在する。ヒトゲノムのデザインをも可能にする技術が社会に与えるインパクトの大きさにも関わらず、十分に議論されているとは言えないからだ。
「このプロジェクトの先には、生物学的な親を持たない完全カスタムメイドの人間の製造、あるいは我々現人類とは別種の新しい人類の創造などという事態もありえます。無論、今はまだ可能性の段階でしかないのですが、今後のプロジェクトの展開次第では、人類は手垢まみれのSF設定じみた悪夢に向き合わざるを得ないでしょう」
HPG-writeに倫理的・道義的疑念を抱く人々は多い。しかし、彼らの不信感を煽っているのは他ならぬプロジェクト推進派である。去る5月、HGP-writeに関する会議がハーバード大学で行われたが、参加者は主宰者側に招待された約100人の科学者、弁護士、倫理学者らだけだった。この閉鎖性は会議が開催された時点で既に指摘され、『秘密会議』などと批判された。
「結果をオープンにして、誰にでも使えるような形にできるかどうかがポイントでしょう。どこかの国や企業が技術や成果を独占するような形にしてはいけないと思います」とX氏は語った。
生命科学の発展には期待するところも多いが、そのスピードには不安を感じるのも事実だ。HGP-writeのリーダーの一人、ボーク氏はNatureに「我々はクローン軍団を作ろうとしてるのではないし、優生学の新しい時代を始めるつもりもない」とコメントしているが……。その言葉が嘘にはならないことを信じたい。
(吉井いつき)
参考:「sciencemag」「nature」ほか
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2024.10.02 20:00心霊ヒトゲノム合成計画発表に理学博士が警告!「悪夢です、別種の人類が創造される可能性も…」のページです。吉井いつき、理学博士、ヒトゲノム合成計画などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで