ユダヤ人がスプーンで掘った脱出トンネルが発見される!驚愕の生存率も明らかに!
ホロコーストの犠牲者は600万人ともそれ以上とも言われているが、全貌はまだ明らかにされていない。大量虐殺に関する多くの資料や証拠が、敗戦を察知したナチス・ドイツによって、破棄されたためだ。そのため、犠牲者の正確な人数をはじめ、虐殺が行われた場所や方法など、未解明の点が多い。杉原地畝や近衛秀麿、シンドラーらによって、ガス室送りを免れた犠牲者がいた一方、明日死ぬかもしれない極限の状況下で、自ら希望を見出す人々もいた。
■同胞の死体を焼く
第2次大戦中、ナチス・ドイツによって捕えられていたリトアニア系ユダヤ人が、「スプーン」で地下トンネルを掘り、収容所からの脱走に成功していたと、6月29日付の「Daily Mail」は報じている。
この地下トンネルは、特に激しいホロコーストが行われていた地域の1つであるリトアニアのポナリ(現パネレイ)で見つかった。ポナリは、森に囲まれたのどかな地域であるが、第2次大戦中にはナチスによって、ユダヤ人7万人を含めた10万人が、その森の中で虐殺された過去がある。
1943年、ソビエトの進行におびえたナチスは、ポーランド・シュトゥットホーフ強制収容所から連行されたユダヤ人収容者からなる「焼却隊」を結成、虐殺の事実を隠蔽しようと画策した。
酷い話であるが、ユダヤ人収容者らは、虐殺された同胞の遺体を掘り起こし、焼却処分するよう命じられたそうだ。このおぞましい強制労働は数ヵ月にわたって続いたという。徐々に焼却すべき遺体が少なくなっていくにつれ、収容者たちは「次は自分たちの番だ」と恐怖するようになっていったそうだ。
恐怖にかられた収容者たちは、自分たちが収容されている「石油貯蔵庫として掘られた穴」から脱出することを決意する。しかし、当時の状況からして掘削に役立ちそうな道具を入手することは困難だった。
そこで収容者たちは、驚いたことに、「スプーン」と「指の爪」を使ってトンネルを掘り進めていったのだ。収容されている穴から脱走防止フェンスまで、およそ35メートルのトンネルを掘り抜くころには3カ月も経過していた。単純計算で1日約40cmを「スプーン」と「爪」で掘ったことになるが、小石や木の根といった障害物を取り除きながらの作業は、相当な苦労を伴っただろうと想像できる。
■生存率25% ”決死”の脱出
1944年4月、爪用のヤスリで足枷を切った40人の収容者は、トンネルを通って脱出を試みたが、運良く脱出に成功したのは、たった11人だったそうだ。残りの収容者は脱出途中でナチスの警備員に発見され、銃殺された。
戦後、このトンネルは未調査のままであったが、イスラエル考古庁の考古学者セリグマン博士らが、最新の地中調査技術を用いて、その全貌を明らかにした。
地中の電子抵抗を感知する「比抵抗トモグラフィー」と呼ばれるこの技術は、地下構造を3Dイメージとして可視化することができる。画像中で赤く反応している箇所が、トンネルの場所を指している。収容所だった「穴」が保存されていたため、調査は順調に進んだそうだ。
長らく未調査だった脱出トンネルの全貌が解明されたことにより、また1つ歴史の事実が明らかになったと言えるだろう。今後も続々と「隠された過去」が白日のもとにさらされることが期待される。
(編集部)
参考: 「Daily Mail」、「The Washington Post」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊ユダヤ人がスプーンで掘った脱出トンネルが発見される!驚愕の生存率も明らかに!のページです。ユダヤ、ナチス、トンネル、ホロコースト、脱走などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで