タトゥー、大麻、頭蓋骨に穴を開ける身体改造などを追う危険な旅/ケロッピー前田インタビュー

■頭蓋骨に穴を開けると覚醒する!? トレパーネーションとは

タトゥー、大麻、頭蓋骨に穴を開ける身体改造などを追う危険な旅/ケロッピー前田インタビューの画像4額に直径3センチもの穴をもつロバート・ランドは、トレパネーションによって覚醒したと確信しているという『クレイジートリップ』より

――次は身体改造についてお伺いしたいのですが。特に気になるのが、意識の覚醒を求めて頭蓋骨に穴を開けるトレパーネーションです。日本でと漫画家・山本英夫の『ホムンクルス』で有名になりました。この行為は身体改造の世界では、みんな知っていて、憧れるようなものなんでしょうか?

前田 身体改造は「ボディモディフィケーション」の日本語訳で、タトゥー、ピアス、さらにリスクの伴う身体の加工&装飾の総称です。それらは結構、皮膚表面を使ったボディアートだから、それに比べるとトレパネーションは医学の領域に入っていますよね。それでも頭蓋骨に穴を開ける行為は、およそ8000年前から存在する人類最古の外科手術でもあり、自分でやってしまう人もいますから、身体改造シーンの人たちはみんな知っています。でも、絶対に真似しちゃダメですよ。失敗すると死んじゃいますから。そういう意味では、身体改造とはちょっと違ったタイプの改造でしょうね。現代の病院においては、頭蓋骨に穴を開ける行為は脳に関する病気、事故、怪我などの応急処置で約15分ぐらいでできるものなんです。医者からすれば、難易度の高いものではない。ただし、病気でもなんでもない人の頭蓋骨に穴を開けるのは、医者としては法律違反になります。病気ではない人に医療をほどこしてはいけないのです。トレパネーションによって、意識が覚醒することが科学的に立証されていれば、いいのかもしれませんが……。それでも国によっては、本人が希望すれば、自由にいろんな医療を受けられる地域があります。そういう病院をトレパネーションの希望者に斡旋する団体が『ITAG(アイタッグ)』です。アメリカのフィラデルフィアに彼らを訪ね、レポートした記事が『クレイジートリップ』で読めますよ。


■マリファナ合法化の議論は池上彰氏がやるべき!?

タトゥー、大麻、頭蓋骨に穴を開ける身体改造などを追う危険な旅/ケロッピー前田インタビューの画像5自家栽培法のセミナーを行うソマ『クレイジートリップ』より

――マリファナのハイカルチャーについてもお伺いしていいでしょうか。世界一のマリファナを決めるアムステルダムのカンナビス・カップは今でも続いているのですか?

前田 マリファナの話は複雑なんですね。日本だと個人使用の話になってしまいますが、世界的な合法化はもはや国策や税制の問題であって、大規模なビジネスやマリファナ産業の話になってしまうので……。近年、カンナビス・カップは、アメリカで合法化したフロリダ州や規制緩和となったジャマイカでも行われています。しかし、去年のアムスてルダム大会は中止になったそうです。2015年11月にパリでテロが起こり、警備の問題や政治的なものがあったのだろうと予想されます。日本のようにマリファナについて、ヤバいヤバいと言っているだけでは、前に進まないんですよ。アメリカの雑誌『ハイタイムス』の元編集長・スティーブン・ヘイガーがインタビューでも言っていますが「合法化をただ訴えるだけでは埒があかない、みんなでマリファナをカルチャーにしよう」ということですね。

――日本では、先の参議院議員選挙で医療用大麻の合法化を推す候補もいましたが、現状マリファナは世界ではどのように扱われているんですか。

前田 まず第一にもっと前の段階から世界的にはマリファナの喫煙は非犯罪化されていました。例えば、日本で未成年がお酒を飲んではいけないけど、飲んだからといって、刑務所に入れられたりはしませんね。アメリカ、ヨーロッパなどでは、大雑把にいえば、所持や使用にはそういう扱いです。ただし、大量の売買や栽培には厳罰が課されてきました。日本の場合、個人使用が厳しいので、そこにしか目がいきませんが、今、世界で議論されているのは、合法化により、工場を作り大量生産をしていいのかという問題です。そこから税金を取れば、工場のある街はマリファナ産業で儲かるわけです。近年、アメリカ・フロリダ州では大麻を合法化しました。今まで政治は右左翼にわかれて、左の人が合法化を推進して、右の人はダメというのが普通でした。でも、フロリダの場合、大変な財政難で「もう合法化しかない」と右の人も賛成して通ったんですね。もうすでに個人使用とかではなく、ひとつの産業としていいのか悪いのかという議論になっています。

――たしかに日本で話題になる個人使用とかのレベルの話ではありませんね。

前田 ヨーロッパがより複雑なのはEUの問題もあります。イギリスがEUを出て行ってしまうし、オランダは1976年にマリファナ解禁を達成していたりします。全然、足並みが揃わないですよね。EU全体を同じ法律で管理しようという議論もあります。だから、カウンターカルチャーのレベルでできる話ではなく、本当は池上彰さんに出てきてもらって、政治経済をからめて議論してもらいたいですね(笑)。

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