【脳科学】芸術鑑賞が“変性意識”を生み出していたことが判明!最新の実験が200年前の哲学説を裏付けた!=オランダ
■カントの美学理論を脳科学が裏付けた!
9月19日付の英「Daily Mail」紙によると、オランダのエラスムス・ロッテルダム大学の研究者らが、24人の学生にどれが「芸術作品」か「現実の出来事」かあらかじめ教えてから複数の写真を見せ、脳波の変化をEEG(脳電図)で測定したところ、それぞれの写真に対して異なる反応を示したという。
研究チームが、学生らに写真を見せたあと大脳皮質の活動を0.6~0.9秒刻みで測定したところ、「現実の出来事」だと教えられた写真を鑑賞した時の方が、脳波が大きく反応していたそうだ。
とはいえ、この実験結果は一体どういう意味を持つのだろうか? 研究チームのノア・ファン・ドンヘン教授の解釈をみてみよう。
「芸術作品を鑑賞していると思っている時、我々の脳は現実の出来事を眺める時とは違う反応を示すことが分かりました」(ドンヘン教授)
「現実の出来事を見ていないと考えている時、感情反応が神経レベルで抑制されるようです」(同)
「今回の実験結果から、200年前のカントの美学理論は神経学的にも裏付けられることが分かりました。我々の脳や感情、それに認識能力を理解するために芸術は役に立ちそうです」(同)
カントやバローが理論化した「美的距離」は、「脳の感情反応が抑制されること」だったようだ。このように感情反応が抑制され、作品と鑑賞者の距離が適切に保たれると、作品の形・色・構成を丁寧に鑑賞することが可能になるというわけだ。
その証拠に、鑑賞後に作品を評価させたところ、多くの学生が「芸術作品」だと教えられた写真の方が「好ましい」と回答したそうだ。
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