HAE ― 医師も困惑するほど顔が変形する謎の遺伝病とは?
「遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema、HAE)」という病名を耳にしたことはあるだろうか。5万人に1人の割合で患者がいるのだが、ある調査では半数以上の医者がこの病気を知らないと答えている。
■遺伝性血管性浮腫とは?
HAE(遺伝性血管性浮腫)とは、Hereditary angioedemaの略で、体のさまざまな場所に「腫れ」が起こる稀な病気である。HAEの「浮腫」の原因は、血液からタンパク質が奪われることによるとされる。まぶたやくちびる、顔、手足などに、突然ひどい「浮腫」が出ては数日して跡形もなく消える。
「腫れ」が起こる部位は、顔、のど、手、足、腕、脚および腹部である。HAE(遺伝性血管性浮腫)による「腫れ」は、週単位で起こる人もいれば、月単位あるいは年単位で起こる人などさまざまで、腫れる場所も常に同じではない。特に喉に腫れが起こると気道が塞がるため、命に関わることもある。遺伝性のものの中には発症しないケースもあり、また逆に新たな遺伝子変異で起きる場合も有る。
この病気を一目瞭然で説明する上記の写真は、テキサス州ヒューストンに住む患者のリンダ・ミラーさんである。
いつもはやせ形で引き締まった体型をしたミラーさんだが、いったん症状が出ると彼女の顔全体はむくみと腫れで覆われてしまう。そして悪いことにいつこの発作が出るか、ミラーさんは全く予測が出来ないのだ。
そして、発作が始まると気管が腫れて息が出来なくなり、皮膚はむくみ続けて、これ以上不可能と言うほど引っ張られると説明する。またこれが胃腸に起きると痛みは耐え難く、入院して治療が必要になるとも話す。そしてその痛みは、「麻酔無しのお産、もしくは麻酔無しで歯を抜くのと同じ痛みと思って下さい。それは本当に私がこれまで経験した中で最悪の痛みです」と説明する。
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