「日本会議すら日本を理解してない」「天皇陛下の“お気持ち第2弾”も」右翼に支持され、左翼が動かす安倍政権の歪さを康芳夫と苫米地英人が斬る!

 かねてから安倍政権のいびつさを指摘した《暗黒知識人》康芳夫。一方の脳科学者苫米地英人氏はまた別のベクトルからその特殊性を読み解く。安倍政権が亡霊から解き放たれる日が先か、天皇陛下による再度のクーデターが先か、現在の天皇陛下をめぐる事態は《有史以来の非常事態》に突入している!?

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「日本会議すら日本を理解してない」「天皇陛下のお気持ち第2弾も」右翼に支持され、左翼が動かす安倍政権の歪さを康芳夫と苫米地英人が斬る!の画像1左・苫米地英人、右・康芳夫

康芳夫氏(以下、康)「今、苫米地さんは面白いこと言ったんだけどね、アメリカは日本を《敵国視》してると。安倍政権ってのは、彼のおじいさんが岸信介(第56代、57代内閣総理大臣)で、表向きは友好的なんだが、実は“徹底的な反米”なんだ。憲法改正の問題もすべてがね」

苫米地氏(以下、苫)「まったくそうです。この安倍政権は、もの凄いわかりやすいんですよ。いま安倍さんがなんであれだけ強いかっていうと、安倍さんを本当に支えてる人たちは、70、80、90代のおじいちゃんたちなんですよ。そしてその世代は、“完全に反米”なんですよ。“日本はアメリカに戦争で勝つぐらいの国にならなきゃならない”と思っている人たちが、今の安倍政権を支えている。ところが、政権の中で安倍さんを動かしているのは、簡単に言うと、官邸。全部役所からの出向組で、留学組なんですよ。この人たちの中には親米どころか、《頭の中はアメリカ人》みたいな人もいるぐらいなんです。そこまでいかなくてもオバマさんまでのアメリカ中枢とのパイプが太い人たちが多い。それこそ、経産省の今井(尚哉内閣総理大臣秘書官)さんあたりの官邸の総論的な立ち位置がそう。これがおもしろい《二重の画》なんですよ。安倍政権の政治的なパワーは、アメリカに勝ちたいじいちゃんたちが支えている。でも、安倍政権がやってるのは、アメリカの日本支配を強める力に動いているというね(笑)」

「それはあなたの言う通りだろうね、安倍総理には、岸信介っていうおじいさんの亡霊が取り憑いちゃってるからな(笑)。ここまでの話だと、苫米地さんは《反米主義者》ですね」

「日本会議すら日本を理解してない」「天皇陛下のお気持ち第2弾も」右翼に支持され、左翼が動かす安倍政権の歪さを康芳夫と苫米地英人が斬る!の画像2岸信介(Wikipedia)より

「反米じゃなくって、《日本主義者》です」

「なるほど。いわゆる《ナショナリスト》ってこと?」

「僕は、アメリカにいるときは、アメリカ主義者ですよ。でも、反ウォールストリート。僕はそれぞれの国の人民の味方で、ロシアに行ったら、ロシア人民の味方です」

「なるほど。あなたには《人民の味方》って考え方が根底にあるわけだね。昔毛沢東が言った『人民民主主義者』ということかな」

「今までの日本国憲法は全部、『日本国民は~』という主語で始まっていたんですけれど、今の憲法改正案は『日本国は~』って、全部主語が国なんですよ。主語が国に変わるというのは、初めてのことですよ。そこでは、『自然権』の概念が消えてるんです。日本っていう国は、最初に日本人がいて、いつの間にか国ができたわけなのに。アメリカみたいに200年前に国ができたところは、“国があってから人民”じゃないですか。でも、日本は“人民があってから国”なんです。それなのに、現政権の中では“国があってから人民”という論理に完全に変わってきているんです。だから、“国がみなさんに基本的人権を与える”という流れになっている」

「実におもしろいねえ……苫米地さんの考えてることは。今、『日本会議』ってのが色々問題になっているけれども、彼らをベースとする、いわゆる『ナショナリスト』に対して、あなたの考え方はどうですか?」

「『ナショナリズム』はなんの問題もないけど、北からとか南からとか、“日本人がどこからやってきたか?”なんてどうでもいいじゃないですか。日本人っていうのは、少なくとも2千年~3千年くらい長い期間いるわけですよ。日本は“日本人という、我々ひとりひとりのための国”であったのに、憲法改正案の中では“国があって、君たちがいる”って論理にいつのまにか変わってる。『国』という言葉を前面に出すことが愛国主義のように見えるけど、僕は『愛日本人主義』じゃないといけないと思いますよ」

「『まず国があって』ということは、日本会議の連中が考えてることですよね。なるほど、やっとわかってきたよ。あなたはさっきも言ったとおり一種の《人民民主主義者》だ。今はもう昔話になってしまったけどね。昔、 《人民民主主義》って言葉は、哲学の非常に重要な部分なんだけどねえ、ははぁ……実に面白いなあ」

「それは絶対そうですよ。それを『デモクラシー』って言うわけじゃないですか。たとえば、『天皇制』というのは、日本の歴史の中でなんとなく宗教的に考えられてきたわけです。“日本人の宗教観の中に育まれている天皇制”みたいのがあるわけですよ。ところが、今の改正憲法を見ると、完全にそこから切り離されてる。知ってます? 今までの『7条解散(天皇による衆議院の解散権)』ってのがあったわけじゃないですか。内閣総理大臣じゃなく、天皇陛下の解散権。あれは維持されたけど、54条が追加されて、『衆議院の解散権は内閣総理大臣が持つ』って書いてありますよ。ただし、7条は消してないから、建て前上は天皇が持ち続けるんだけど、実際問題としては、内閣総理大臣しか持たないわけじゃないですか。本当に、口では元首とか言いながら、天皇を本当に“ただのお飾り”の存在に変えちゃってるのが今の改正憲法ですから。僕は『右翼たち、今すぐ刺しに行け!』と思ってるんですけど」

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