超巨大「新・パンゲア大陸」が登場する!? 地質学者「日本側の4つの大陸が衝突するのは不可避」

超巨大「新・パンゲア大陸」が登場する!?  地質学者「日本側の4つの大陸が衝突するのは不可避」の画像3画像は「EXPRESS」より引用

■「5千万年後、オーストラリアは東南アジアに衝突する」

 プレートは二層構造で、上部の地殻と下部の冷え固まったマントルから成る。マントルが流動することで、プレートも引きずられて移動すると考えるのが、現在は一般的。流動と言っても、プレート下部のマントルは液体ではなく、一定のペースで流れるように動くわけではない。地球を覆う十数枚のプレートは、それぞれ異なる速度で不規則的に移動している。そのため、今後どのように大陸が移動していくのか、は研究者によって見解が分かれている。

超巨大「新・パンゲア大陸」が登場する!?  地質学者「日本側の4つの大陸が衝突するのは不可避」の画像4画像は「PALEOMAP Project」より引用

 米イリノイ州ノースウェスタン大学の地質学者、クリストファー・スコテーゼ氏によれば、2億5千万年後、現在四散している大陸は再び集まり衝突し、かつての“パンゲア大陸”によく似た“ノヴァ(新)・パンゲア大陸”が出現するという。

「まず今から5千万年後、オーストラリア大陸が東南アジアに衝突するでしょう」(クリストファー・スコテーゼ氏)

 さらに南極大陸は、北上を続け南米大陸とぶつかりながら、アフリカ大陸の隣に落ち着くようだ。近年、それぞれの大陸がどのように移動しているか、については人工衛生によって観測されている。地震学者のスーザン・ハフ氏は、こうしたプレートの動きを、大鍋の中でグツグツ煮立つスープの表面の一部のようなものだと例えている。

 ハフ氏は、オーストラリア沖東方から日本列島の真下を通り、北・南米大陸西岸に至る、太平洋の周囲をぐるりと取り囲む“環太平洋造山帯(火の環)”の活動が、今後のプレート移動の鍵を握るだろう、と考えている。世界中で起こる地震の90%近くが、その直上で発生していると言われる“火の環”。地震大国・日本とも深い関わりのあるこの“火の環”が、“新・パンゲア大陸”誕生に一役買うようなのだ。


 超大陸が出現するとき発生すると考えられる巨大地震。その後進行するだろう、内陸部の砂漠化などの大規模な気候変動。超大陸誕生が、地球で生きる生物にとって、多大な影響を与えるということは想像に難くない。2億5千万年後、人類は果たして存在しているのか、それは全く分からないが、科学者たちの飽くなき探究心が、今後も地球内部のメカニズムを解き明かしていくことに期待したい。
(坂井学)


参考:「EXPRESS」、「PALEOMAP Project」、テッド・ニールド著・松浦俊輔訳『超大陸 100億年の地球史』(青土社)、ほか

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