苦悶の表情で焼かれた“猿肉”を食べる! 絶滅危惧種が並ぶミハナサ族のフードマーケットとは?=インドネシア
インドネシアのスラウェシ島は美しい自然の宝庫であり、「地球規模の生物多様性重要地域の島」と評価されている。
■スラウェシ島で栄える獣肉市場
北スラウェシ州に位置するトモホン市は、イスラム教が主流のインドネシアにおいて人口の大半がキリスト教という珍しい地方である。
そのトモホンの食料市場では猿、犬、巨大な蛇、コウモリが食肉として売られ、常に市民と観光客で賑わうミナハサ料理店ではこれらの肉を使った料理が供される。この地域の住民であるミナハサ族は、動く物は何でも食べるといわれ、野生動物を食用とすることに対して宗教上の制約がない。
とりわけ猿の肉はこの地方に住む人々にとって、珍味として重宝されてきた。「味は辛くてぴりっとしていておいしい。野生のイノシシや犬の味に似ている」と32歳のニータはAFP通信のインタビューに答えた。
この市場には苦しそうな表情を顔に刻みつけて焼かれた猿だけではなく、切り開かれたニシキヘビ、焼かれたコウモリや犬が屋台で山積みになって売られている。中でもとりわけ絶滅寸前のマカク属のクロザルが乱獲され、食用とされていることに現在大きな批判が巻き起こっている。
もちろん、インドネシア当局や動物保護の活動家も手をこまねいているだけではない。市場で売られている猿やその他の動物のいくつかの種はインドネシアの法律によって保護されており、警察はこれらの店舗の摘発を過去にも行い、屋台の持ち主と激しく衝突した。
地元の野生生物保護グループと活動家も、猿を守るためにキャンペーンを開始した。猿が売られているマーケットでは活動家たちがテントや看板を掲げ、猿は保護動物であり売買すれば5年の刑罰に処されると書かれている。
NGOや地方自治体は各学校に対し、授業のカリキュラムに猿をはじめとした自然動物保護に関する学習を行うよう求めた。また地域の教会にも頼んで司祭たちから人間は地球の保護者であり、特にクロザルのように絶滅の危機に瀕している生き物を保護しなければならないと、地元民を説得するように依頼している。
また活動家たちはマカク属の猿の重要な役割も人々に知らせようとしている。猿を守る活動を行っているNGOのステファン・レンテー氏によれば、猿がジャングルの木々を揺らしながら移動することで、植物の種を分散させ樹木の成長を促している。それゆえに猿たちはこの島のエコシステムにとって、非常に重要な役割を果たしているのだと説明する。
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2024.10.02 20:00心霊苦悶の表情で焼かれた“猿肉”を食べる! 絶滅危惧種が並ぶミハナサ族のフードマーケットとは?=インドネシアのページです。ヘビ、犬、猿、三橋ココ、コウモリ、マカク、マーケット、食品市場などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで