DNAコードは意思を持って記述されたプログラムだった!? 専門家が断言「偶発的に書き上がるものではない」

 数年前に突如話題となった、DNAをデータのメモリとして利用するというトピックを覚えているであろうか。


■DNA自体がなにかのメモリではないのか?

 コンピュータのデータとは、0と1の2進数で書かれたコードであるが、そのコードを電荷の正と負や、磁性体のプラス極とマイナス極、半導体の通電、絶縁といった2極分化されているモノの性質を利用し記述、保存したものである。

 DNAを構成するアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4つの化学物質の連鎖にそのコードを変換し、DNAに組み込んで保存するというのが、話題になった“DNAのメモリ化”ということなのだが、費用的なものは別として、すでに実用レベルまで実現しているという。

DNAコードは意思を持って記述されたプログラムだった!? 専門家が断言「偶発的に書き上がるものではない」の画像1 「Collective Evolution」の記事より

 ここで、ある疑問が浮上してくる。もしもDNAが、記述されたコードの保管に適しているならば、DNA自体が何らかのメモリの役割をしているのではないだろうか? ということである。オンラインジャーナルの「Collective Evolution」に、この疑問に合わせて一つの説を唱えるトム・バンゼル氏のレポートがされている。

 バンゼル氏の説によれば、DNAは「有機的プログラミング言語」であるということである。もちろん、コンピュータのプログラミング言語の方が、DNAよりも何億年も後に開発されたものであるのだが、その構成は非常によく似ているとのことである。

 仮に、果物のリンゴを考えてみよう。リンゴはアプリに置き換えて考えることができる。つまり、リンゴのDNAに記述されているコードがプログラムであり、太陽があたるとアプリが起動し、実行され、リンゴの実がなるという実行ファイルであるということなのである。

DNAコードは意思を持って記述されたプログラムだった!? 専門家が断言「偶発的に書き上がるものではない」の画像2 画像は「Wikimedia Commons」より

 また、現時点のDNA工学の技術を利用すれば、あるDNAからA、G、C、Tで組まれるコードをコピーして、別のDNAに貼り付ける、いわゆるコピペすら可能であり、実験レベルではあるが絶滅種の復活さえも成功させているという。

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