踊る骸骨、奇妙なDNA、怪しい「ルイコフ一家」まで…! 神秘と謎に満ちたシベリアの極寒ミステリー5選
ロシアのシベリアには多くの謎と危険が潜んでいる。極寒という過酷な環境にもかかわらず、人間は何千年もの長きにわたりこの地域に住んでいる。シベリアの永久凍土からは、未知の文化、珍しい墓地、さらに予想外のDNAの痕跡が発見されている。今回はシベリアで発見された謎と希少な発見を5つご紹介しよう。
■踊る骸骨
2017年、ロシアの沿海地方で「ミハイル」と名付けられた骸骨が考古学者によって発掘された。ミハイルは、高齢者の骸骨が埋まっている墓郡にある唯一の30代の骸骨とみられている。また、ミハイルは奇妙な姿勢で埋められており、両手は骨盤に当てられ、膝は大きく外を向き、足首は交差。陽気に踊っているようにも見えるが、どうやらそうではないらしい。ミハイルを調べると、手足を拘束して埋葬された可能性が高いことがわかっている。腰の付近からは矢の一部が発見されたのだが、直接的な死因なのか葬儀に使われたアイテムなのかは不明。ミハイルの死因は足が変形する病気ともみられており、踊る骸骨の謎を解くのに専門家は躍起になっているようだ。
■大量発掘された犬の骨
先史時代に存在したシベリアの村を発掘していた考古学者は、とある村で115匹以上の犬の遺骨を見つけた。その骨を分析したところ、その多くがシベリアンハスキーに似ていることが判明。また、同じ村ではトナカイの骨も発掘されており、犬と共に狩りを行っていたと考えられている。さらにその村からは食用に“と畜”されたり、儀式のために生贄になったであろう鹿や鳥の遺骨も発掘。同じ時代の他の村では、犬の遺骨は多くても10匹程度しか出てきていないことから、この村は生活の中に動物が密に関わっていたと考えられている。この村の発掘作業を手伝っていた考古学者の飼い犬は、大量の犬の遺骨を見て悲しんでいるようだったという。
■マルタ少年
2013年、ベラヤ川付近で4歳前後の少年の遺骨が発見された。約24,000年前のものとみられる少年の遺骨は、発見された場所から近い村の名前にちなみ「マルタ」と名付けられることに。マルタのゲノム(遺伝情報の全体・総体)を調べたところ、ネイティブアメリカンのルーツにシベリアなどのヨーロッパ系の人間が関係していると判明。また不思議なことに、現代のアメリカ先住民や西欧のユーラシア人が東アジア人特有のDNAを持っているのに対し、マルタにはそのDNAがなかった。この遺伝的類似性の欠如から、マルタの世代が成人して以降に、東アジア人と混合した可能性が考えられている。
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