クローヴス症候群 ― 上半身の膨張が止まらない少女、5000万人に1人の「ベビー・ハルク」と呼ばれて
数カ月にも及ぶ検診の後、マディソンが「CLOVES(クローヴス)症候群」と診断されたのは生後3カ月のときだった。これは非常に稀な症候群で、現在までわずか200人の患者しか確認されていない。一説によると、その発現率は5000万人に1人とも考えられている。
CLOVES症候群コミュニティのエグゼクティブディレクターであるデイビス氏は「CLOVESは非遺伝性の体細胞変異によって引き起こされ、CLOVESを引き起こす影響を受けた遺伝子はPIK3caと呼ばれ、攻撃的ながんに関係している変異です」と話す。
またCLOVESに関連する過成長は、脳、胴体、手足を含む四肢、ならびに軟部組織腫瘍や血管奇形を含む体内のあらゆる場所で起こり得るともいうことだ。
その後ガトリン夫妻は医師から、今後マディソンは歩いたり座ったりすることはなく、這うことさえ多分無理だろうと告げられた。その瞬間、夫妻は医師が何と言おうとマディソンはこれらのことができる普通の生活をさせると心に誓った。
■ガトリン夫妻「子どものためにどんなことでもする」
現在マディソンは2歳になり、医師の予測に反し、元気に歩いたり、座ったりして自分の姉と遊んでいる。ガトリン夫妻は、医者からマディソンには不可能と言われたことを可能にするために日々努力し続けた。
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