エイリアン信号「光速電波バースト(FRB)」の謎、ついに解明!? 30億光年彼方で起きていたスリリングな事態とは?
■FRB 121102はブラックホールの近くにある!?
定期的に高速電波バーストを放出するFRB 121102の正体は何なのか?
先日、米メリーランド州で開催された第231回アメリカ天文学会 (American Astronomical Society)の年次学会において、55名もの天文学者の連名で発表された研究論文では、FRB 121102はもともとは質量の大きな恒星だったものが加齢した最晩年の天体である中性子星(neutron star)ではないかと指摘されている。そしておそらくブラックホールの近くに位置しているか、もしくは星雲(nebula)に組み込まれているようだ。
もしFRB 121102がブラックホールの近くにあるとすれば、いろんな意味でスリリング(!?)な状況にあると言えるのだが、なぜそうした仮説が成り立つのか? それはFRB 121102から放出される高速電波バーストが、いわば“トルネード投法”で勢いよく放たれているからである。
研究チームはFRB 121102の16回の高速電波バーストを分析することで、高速電波バーストの方向を決める偏波(polarization)に興味深い発見をした。
偏波した電波が磁場領域を通過すると、この電波には“ファラデー回転”と呼ばれるねじれが生じ、磁場が強ければ強いほど、ねじれが大きくなる。そしてこのFRB 121102から放出される高速電波バーストはファラデー回転の値がきわめて高いため、かなり強い磁場のある環境に置かれていることが想定できる。この環境はブラックホールや星雲、超新星残骸(supernova remnant)に近い環境でよく見られるのである。
つまりブラックホールのような強い磁場をもたらす存在が近くにあることで、あたかもトルネード投法のひねりがさらに利いてくるようにファラデー回転が強まり、高速電波バーストが勢いよく放たれると説明できるのだ。
今回の研究でFRB 121102は中性子星であり、ブラックホールの近くにあるという説得力のある仮説モデルが提示されることになったわけだが、それにしてもこの高速電波バーストは30億光年の先から届いた“閃光”である。遥か太古の昔に放たれた光がこうして地球で観測されていることを考えれば、まったくもってスケールの大きいロマン溢れる話題でもあるだろう。
参考:「BBC」、「Daily Mail」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊エイリアン信号「光速電波バースト(FRB)」の謎、ついに解明!? 30億光年彼方で起きていたスリリングな事態とは?のページです。仲田しんじ、ブラックホール、高速電波バースト、星雲、FRB、FRB 121102、超新星残骸などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで