“失踪を繰り返す父”と“行方不明だった伯母”を撮り続けた写真家・金川晋吾! ロングインタビュー
2018.02.21 18:00
■他者のわからなさは近い人にこそ表れる
――なぜ伯母さんも撮ることに?
金川 2010年くらいに突然僕の祖母、つまり、彼女の母親の元に大阪の病院から連絡があって、なぜか祖母が僕に連絡をくれたんです。伯母は祖母とも上手くいっていなかったみたいで、祖母は彼女に会いに行っていないんですね。それで、僕が会いに行って身元引受人になったんです。
――家を出るまではどんな方だったんでしょうか?
金川 僕はそれまでは数回しか会ったことがなくて、どういう人なのか全然知りませんでした。病院で会った時には認知症が始まっていて昔のことはあまり語れない状態でしたね。今は70歳を過ぎましたが、最初に会った時はもう少し若かったけど、痩せていて実年齢より老けて見えました。
――伯母さんの写真を観た時には、にわかにテーマがわかりませんでした。
金川 そうですよね。これがテーマだというものをもって撮影しているのではないので。ものすごくざっくり言うと「他者」ということになるのかもしれません。
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