“失踪を繰り返す父”と“行方不明だった伯母”を撮り続けた写真家・金川晋吾！ ロングインタビュー

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個展『長い間』／金川晋吾

■失踪は「他者のわからなさ」を表すフックでしかない

――血縁者に失踪者が2人もいるって、かなり稀なことだと思うんです。

金川　家族や親族はそれぞれだから一概に比較できないと思うんですけれど、僕自身は特に珍しいとは思っていません。世の中にはいくらでも同じような話があって、たまたまウチもそうだったっていう。

――近しい人の失踪を経験した人って、少なくとも僕の周囲では金川さんを含めても2人くらいですよ。

金川　そうですかね。うちの父なんていなくなると言ってもまた戻ってきていますし、もっとパンチの効いた話は世の中にごろごろ転がっていると思いますよ。私の作品において、失踪っていう事態そのものはそれほど重要なことではないんです。それよりも重要なのは態度、姿勢なんですよね。

 
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