人間にも伝染する「人工プリオン」が開発される! 脳がスポンジになって死ぬ…狂牛病の恐怖再び!?

 人間や動物に感染症を引き起こす原因の一つ・プリオンの人工的な合成に成功したというニュースが飛び込んできた。しかもその人工プリオンは人間に対しても感染性を持ち、治療不可能な脳の病を引き起こすというのである。科学メディア「Science Alert」が今月7日付で報じている。

人間にも伝染する「人工プリオン」が開発される! 脳がスポンジになって死ぬ…狂牛病の恐怖再び!? の画像1画像は「Sceince Alert」より引用

■狂牛病とプリオン、脳がスポンジに

 2001年ごろ、狂牛病(牛海綿状脳症、BSE)が世界中で大パニックを起こしたことをご記憶の方は多いだろう。BSEを発症した牛は痙攣などの症状を起こし、音や接触に対し過敏な反応を示すようになり、やがて自力で立てなくなる。この恐ろしい感染症が食肉を介して人間にも伝染し、クロイツフェルト=ヤコブ病という治療法もない恐ろしい病気を引き起こす可能性が明らかになると、消費者による牛肉の買い控えはもちろん、BSE発生国からの牛肉輸入規制といった国際問題へと発展していった。

 BSEの原因はプリオンというタンパク質の一種である。タンパク質はアミノ酸がつながった鎖が適切な形に折りたたまれてその機能を発揮するのだが、間違った折りたたまれ方をした異常プリオンは正常に折りたたまれたプリオンも間違った形に変えてしまう。増殖した異常プリオンは、やがて脳や神経にダメージを与えるアミロイドという構造を形成する。その結果、脳はスポンジのようになってしまい、痴呆症や運動障害などを引き起こし、やがては死に至るのである。

人間にも伝染する「人工プリオン」が開発される! 脳がスポンジになって死ぬ…狂牛病の恐怖再び!? の画像2BSEに感染した牛。画像は「Wikipedia」より引用

 プリオンは哺乳類全般に見られるタンパク質で、プリオンをコードする遺伝子も発見されている。もちろん人間でもプリオン遺伝子は見つかっており、この遺伝子に起きた変異が原因で、遺伝性クロイツフェルト=ヤコブ病を発症してしまう家系があることも知られている。

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