“伝説のゴッドファーザー”末裔に取材!大物マリオ・ルチアーノ「ちゃんと学校に行けばよかった、もっと勉強をすればよかった」
2万部を突破した“伝説のマフィア”ラッキー・ルチアーノの末裔の自叙伝『ゴッドファーザーの血』(マリオ・ルチアーノ著/双葉社)が話題だ。シチリアで生まれ、マフィアの一員になった男は、世界中の裏社会を流転した末、山口組から盃を受け、やがて絶体絶命のピンチを迎えることに――。現在は裏稼業から足を洗い、日本で飲食店を営む著者に、トカナが単独インタビューを敢行。その知られざる素顔に迫るとともに、世界のアンダーグラウンドにまつわるあれやこれやを聞いてみた。
「はじめまして。よろしくお願いします」
インタビュー場所である帝国ホテル東京のラウンジに現れたマリオ・ルチアーノ(54)は、流暢な日本語でそう挨拶した。幼少期から世界中を渡り歩いてきたため、日本語のほか、イタリア語、英語、ギリシャ語、タガログ語などをしゃべれるという。
身長181センチ、体重100キロの巨漢だが、声は小さく、ささやくように話す。これは、周囲に会話を聞かれまいとする、裏社会で長く生きてきた人間ならではの習性なのかもしれない。
――まずは今回、『ゴッドファーザーの血』を出版しようと思った動機から教えてください。
マリオ・ルチアーノ(以下マリオ) いろいろなところからオファーはあったんですが、最初はまったくその気になれなかった。裏社会から完全に足を洗った今、本を出そうなんて思えなかったんですよ。でも、双葉社の渡辺拓滋さんから「過去の出来事を本に書くことで、自分の心の中を全部きれいにできるのではないか」と言われて、やってみようと思いました。もちろん、知っていることのすべてを書いてしまったら私の身が危険ですから、伝えられる範囲で書きました。とはいえ、読んでもらえたならわかるかと思いますが、この本は暴露本ではありません。「マフィアとヤクザの話」ではなく、「愛とファミリーの話」です。
――さまざまな人とのドラマチックな出会いと別れも本書の見どころの一つと感じたのですが、マリオさんが人生の節目節目で、良くも悪くも強烈な縁を引き寄せてしまうのは、なぜだと思いますか?
マリオ さあ、それは私にもよくわからない。たまたまそういう環境に身を置いていたからそうなった、としか言いようがないです。そもそも私はマフィアなりたかったわけじゃなく、小さい頃、周りにそういう大人たちが大勢いたから、自然とそうなっただけ。ただ、周囲の大人たちの影響で、私は子どものときからガキっぽい格好はしていなかったし、背も高かったから、ファミリーの人間から見込まれて引っ張り上げられた部分もあるのかもしれないですね。
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