ゴッドファーザーの末裔がフリーメイソン、ビットコイン、陰謀論を語る!「この世で一番怖いものは…」
――メキシコの麻薬カルテルについて思うことは?
マリオ ISISとも関係があるし、石油関係にも手を出している。今、世界で一番危ないのがメキシコでしょう。デビルの街です。やりすぎですね。彼らには人の心がないと思います。
――ところでマリオさんは、幽霊を見たことはありますか?
マリオ ない(と言って大きく首を振る)。いるのなら、会って話してみたい。もしかしたら、普通の人間よりもいい人かもしれませんから。一度、九州の古い旅館で不気味な雰囲気を感じたことはありますけどね。何かおかしいなと思って鳥肌が立ったけど、お会いすることはなかった。お会いしたら挨拶をしたかったのに。
――マリオさんにとって、この世で一番怖いものは何でしょう?
マリオ (熟考した末)……裏切り者です。病気は怖くない。私はガンを患っているんですが、お医者さんから「あと3日で死にます」と言われても、ああそうですか、みたいな感じで大丈夫。でも裏切り者は怖い。それがこの世で一番怖いものです。
――裏切り者を見抜くコツは?
マリオ 最初から何も信じないことです。私は神様も信じていません。神様がもしいて、正しい道へ導いてくれるのなら、私はこんなにも悲しい人生にはならなかったはず。だから、神様はいないと思っています。
――座右の銘はありますか?
マリオ かつては「明日はもっと面白い」だったけど、今はその言葉、私の中から消えてなくなっちゃいました。もう諦めた、みたいな心境です。とりあえず今日生きていれば、ありがとうと思います。誰に対してのありがとうなのかはよくわからない。今日会った人に対してかな。「今日という日にありがとう」。今はそれが一番いい言葉だと思います。
――最後に、マリオさんの生きがいを教えてください。
マリオ こんな私のことを愛してくれる人がいる。その人のために頑張りたい。大事にされているから、大事にしてあげたい。いつまでできるかはわかりませんが。
別れ際に握手を求めてきたマリオ。こちらの手が砕けそうになるほどの握力だった。何も信じられないが、何かを信じたい。そんな思いを手の平から感じ取った。
マリオ・ルチアーノ●1964年、イタリア・シチリア島カターニア出身。映画『ゴッドファーザー』のモデルとなったとされる“伝説のマフィア”ラッキー・ルチアーノの血を引く。5歳のとき、父と共にニューヨークに渡る。その後、パキスタンやフィリピンなど世界各地で暮らし、23歳のときに来日。長らく経済ヤクザとして活動していたが、すでに足を洗った。現在、東京・茅場町でレストラン「ウ・パドリーノ」を経営。今年4月に『ゴッドファーザーの血』(双葉社)を上梓。最新刊に『破界: 山口組系組員になったゴッドファーザー末裔の数奇な運命』(徳間書店)がある。
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