21世紀最悪のチャイルド・サイコ・ホラー『エスター』のヤバさとは? 観た者すべてが嫌悪感と不快感
――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り!
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『エスター』
2009年・アメリカ
監督/ジャウム・コレット=セラ
出演/ヴェラ・ファーミガ、イザベル・ファーマンほか
これまで当コラムでは、『無邪気な悪魔におもちゃが8つ』『ザ・チャイルド』『アリス・スウィート・アリス』と、子どもの殺人をテーマにした作品をいくつか紹介してきたが、日本では企画も通らないだろう。そんなことを踏まえて今回は、観た者すべてが嫌悪感と不快感を催した21世紀最悪のチャイルド・サイコ・ホラーをお送りしたい。キャッチコピーは「この娘、どこか変だ」。
音楽教師ケイト(ヴェラ・ファーミガ)は、3人目の子を死産しアルコール依存症となり、精神医のカウンセリングを受けていた。ケイトの症状を緩和させるため、夫婦は聖マリア女子孤児院で出会った9歳の少女エスター(イザベル・ファーマン)を養子に迎える。
夫妻の実子は、長男ダニエル(11歳前後)と聾学校に通う娘のマックス(7歳前後)。エスターは新しい家庭に溶け込もうとするが、どこか変。ロシア出身だというエスターは礼儀正しく賢そうだが、人前では首と手首に巻いたリボンを絶対に外さず、入浴時は施錠してケイトとマックスにも着替えを見せない。
その晩、寝室で夫婦の営みが始まると、自室にいたエスターが鋭い勘でそれを察し、ケイトが夫ジョンのナニをパクッとした瞬間、ピクッと反応する(笑)。この作品は超能力モノではないが、この演出は何? やがて盛り上がっている最中に寝室をノックされ、慌てて中断する夫婦。「眠れないの」とエスターは、ジョンの背中にしがみ付いて寝る(ここ伏線)。
<次のページからネタバレあり注意!>
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