『RAW SOUL』李岳凌/赤々舎。神棚
――わかる気がします。
李 それと、台湾が持つある種の精神性や目で捉えられない存在をキャッチしやすいこともあります。それはこの土地に根差した宗教観と緊密に結び付いているのかもしれません。とはいえ、宗教的なコードを持っていなくとも、見えないが実在する何かを感じることは可能です。
――土地に根差した宗教観とは?
李 台北市以外の都市には、街のいたるところに小さな宮廟があります。その数はコンビニより多いかもしれません。周縁部や郊外に行けば、廟と言っていいかわからないような、手作りで原始的な祈りの神棚を見ることができます。
台湾人の宗教観は、ある意味、工具性があると同時に敬虔なものだと思います。日々の平安を守り福をもたらしくれるのであれば、仏教であれ道教であれ、どんな神であれすべてを受け入れる傾向があるんです。