
『RAW SOUL』李岳凌/赤々舎
■写真と音楽の類似性
――写真を始めたのはいつですか?
李 2011年です。あくまで楽しみとして、軽い気持ちで撮り始めました。
――なぜ写真を選んだのでしょう。
李 それまで創っていたサウンドスケープとどこか似ていたからかもしれません。私という人間がどのように現実世界を捉えているのか、それを支える聴点、あるいは観点を探していたんですね、結局は。
――『RAW SOUL』を見て強く感じたのですが、名状しがたい何かがあふれ出てくるという点で、写真と音楽は似ていると思うんです。李さんから見て、写真と音楽の共通点と違い、互いに影響し合っている点などがあれば教えてください。
李 写真に比べ、音楽やサウンドはより直接に人の感情に作用するので、概念または知識をベースとした思弁ではありません。私もこの特性にずっと影響を受けてきたわけですが、写真を撮ってきたなかで、聴認あるいは視認するプロセスにおいては同じだということに気づきました。