メス2匹だけで元気なマウスを作る実験に成功! オス2匹でも生まれたがすぐに死んだ

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 中国でメスのマウスだけを使って健康な子を作る研究が成功したという。英「The Guardian」をはじめ、多数のマスメディアがこの驚くべきニュースを報じている。

メス2匹だけで元気なマウスを作る実験に成功! オス2匹でも生まれたがすぐに死んだの画像1画像は「Daily Mail」より引用

■同性のマウスから子を作る

 今月11日付の専門誌「Cell Stem Cell」に、母親だけで子を作るマウス実験を成功させたという、中国科学院の生物学者らによる論文が掲載された。論文によると、その手法は卵子から一倍体の胚性幹細胞を作ってゲノム編集し、別のマウスの卵子に移植して子を生ませたという。この実験の結果、210個の胚から29匹の子が生まれたが、子は健康に成長し、交配して出産もしたという。

メス2匹だけで元気なマウスを作る実験に成功! オス2匹でも生まれたがすぐに死んだの画像2画像は「Daily Mail」より引用

 生殖に際し、オス、つまり精子を必要としない単為生殖は魚類、両生類、爬虫類などで広く見られる現象である。だが、人間はもちろん哺乳類では単為生殖は起きない。その理由はゲノムインプリンティングという遺伝子発現制御システムにあるとされる。通常染色体は2組あるが、母親由来・父親由来とどちらか片方のものしか働かないと決まっている遺伝子が存在する。このとき、片方の遺伝子だけを発現させる仕組みがゲノムインプリンティングである。

 今回の研究でも、卵子から作られた一倍体の胚性幹細胞から、ゲノムインプリンティングに関わる遺伝子が3つ除去されている。2007年には東京農業大学の研究者らが同じような領域を狙った手法で「二母性マウス」KAGUYAを作っているが、健康で繁殖は可能であっても成長が遅いなどの異常が現れていた。このたび中国で作られた子はそのような異常はほぼ見られないという。

メス2匹だけで元気なマウスを作る実験に成功! オス2匹でも生まれたがすぐに死んだの画像3画像は「Daily Mail」より引用

 また、研究チームは同じような手法で父親だけの子も作っている。精子から作った一倍体の胚性幹細胞からゲノムインプリンティングに関わる7ヶ所の遺伝子領域を除去し、核を取り除いた卵子に移植、別のオスの精子と受精させた。だが、こちらはメス2匹の場合ほどうまくいかなかったようだ。わずかに12匹の子が生まれたものの、生後48時間以内に全て死亡してしまい、さらにその体は巨大だったり長い舌を持っていたりと形態に異常を示していた。

 本研究は哺乳類の生殖について知るための画期的な成果である。気になるのは人間への応用であるが、当の研究チームですら、時機尚早というのが現実のところであるようだ。今のところ、同性愛者カップルが2人の生物学的な子どもを持つことは不可能であるが、研究が進めばいずれは可能になる日が来るのだろう。

(編集部)

参考:「Cell Stem Cell」「The Guardian」「Daily Mail」ほか

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