『筋肉少女帯』ベース内田雄一郎・緊急インタビュー! 怪奇漫画マニアの内田が「大槻ケンヂより少しライトなオカルト」を語る!

■テレビを見ながらスプーンを曲げていた

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――その熱気ある時代を全部、実体験したんですね。うらやましい話です。

内田 僕らの世代は誰しもが通っていたと思います。テレビを見ながらユリ・ゲラーと一緒にスプーンを曲げていました。テレビ番組で「みなさんカメラを用意してください。空に向かって念写をしましょう」って放送していましたからね。みんなやってたはず(笑)。

――内田さんは曲げることができましたか?


内田 うーん。曲がってる感じはしてました(笑)。同時期にUFOブームも訪れて、少年向けの『UFO入門』『UFO発見装置の作り方』などの関連書が多く出版され夢がありましたね。ほかにも学研が出していた佐藤有文先生の『怪奇ミステリー』も名著です。コズモ出版の『UFOと宇宙』は出てましたが、あれは大人向けだからなかなか買えなくて、後に古本屋で買ってみたら「ウンダ〜ハラナ〜」みたいな宇宙語が延々と書いてありました。テレビのゴールデンタイムには『ビックリッ子大集合!』(東京12チャンネル)がやっていました。毎回、心霊写真、UFO、今でいうUMAを普通に放送していましたね。オカルトがメジャーな存在という、今思えばスゴい時代でした。

――それが小中学生時代ずっと続くんですか?

内田 中学生のころは、世の中的にその手の番組はギャグ方向になった気がする。、水曜スペシャルの川口浩探検隊ですねとか。『原始猿人バーゴン』を探しにジャングルを探検するんだけど、なぜかスポ根的な描写だったり。

――小学校時代はどの程度の人がオカルトを知っていたんですか?

内田 やはりブームだからみんな『木曜スペシャル」とかは観てたんじゃないかな。でも専門書を買ってたのは少数でしょう。といっても少年入門シリーズ的なものだけど(笑)。立風書房のジャガーバックスという『日本妖怪辞典』『世界妖怪辞典』『地獄大図鑑』などのシリーズがありました。味のあるいい絵でマニアックな子どもが買っていました。


■33歳には恐怖の大王が来る!!

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――そのころの知識は音楽にも反映されているんですか?

内田 うーん、どうでしょう(笑)。いや、でも心の奥底にノストラダムスが叩き込まれてるから「33歳の時には、恐怖の大王が来るから、将来が考えられない!」と(笑)。同年代でそう思ってた人はたくさんいたんじゃないかなぁ。僕も20代のときはどこかで思っていました。

 だって、1999年8月にはグランドクロス(※黄道十二宮上で4つの惑星が十字に並ぶこと。ノストラダムスの予言にあった超不吉な兆候)になるんですよ。1974年の映画『ノストラダムスの大予言』もかなりのトラウマ映画でね、小学生が見たら辛いですよ。今は問題箇所があり、当時のままでは発売できないみたいですが……。大人になって観たらいい映画でしたよ。

 あの映画で「裸の若者たちが次々にバイクで海に落ちていく」というシーンで岸田今日子が予言の詩を不気味に語るという、強烈な記憶があったんですが、見返してみたら、若者は裸じゃないし、ヘルメットかぶってるし、全然岸田今日子じゃなかった(笑)! 大人になって観たら、冨田勲先生の音楽も素晴らしく、環境保護を訴える普通にいい映画でしたよ。

 同世代はノストラダムスにかなり影響を受けているはずです。特に友人の大槻くんや和嶋くんはもっとイッてしまってますね(笑)。しつこく言うけど僕はオカルトのライトユーザーなんですよ。

 ライトユーザーと自称する内田氏だが、さすがは『筋肉少女帯』のベーシストだけあり、知識と経験はとてつもなくディープ。次回は、待望のニューアルバムの話だけでなく、ひばり書房から始まる70年代怪奇漫画の世界に招待してくれる。インタビュー前編のエンディングにもアルバム『ザ・シサ』の曲『オカルト』がふさわしいだろう。「UMA UFO フライイング・ヒューマノイド」から始まる名曲もぜひ聞いてほしい。
(取材・文=松本祐貴/後編のURLをはこちら


■『筋肉少女帯』情報

『筋肉少女帯』メジャーデビュー30周年記念アルバム『ザ・シサ』が発売中!! ツアーは 11月10日から。リード曲『オカルト』は『緊急検証!THE MOVIE』の 主題歌に決定!
詳細は公式サイトにて。
・筋肉少女帯公式サイト
http://eplus.jp/king-show/

■内田雄一郎(うちだ・ゆういちろう)
1966年、東京生まれ。ミュージシャン・ベーシスト。1982年大槻ケンヂと『筋肉少女帯』を結成。1988年にメジャーデビューし、今年はデビュー30周年。ほかにテクノユニット『空手バカボン』など活動バンドは多数。2017年にはソロアルバム『SWITCHED ON KING-SHOW』も発表。その卓越したベーステクニックと幅広い音楽センスは評価されている。

■松本祐貴(まつもと・ゆうき)
1977年、大阪府生まれ。フリー編集者&ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』(オークラ出版)。ブログ「~世界一周~旅の柄」・http://tabinogara.blogspot.jp/

1977年、大阪府生まれ。フリー編集者&ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』(オークラ出版)『DIY葬儀ハンドブック』(駒草出版)。新刊に編集として関わった『これからの時代を生き抜くための生物学入門』(辰巳出版)五箇公一著。
・ ブログ「~世界一周~ 旅の柄」 http://tabinogara.blogspot.jp/

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『ザ・シサ』

「オカルト」のPV、本当に素晴らしいから観て~!

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