死臭が混じる最悪の「ペット虐待物件」を不動産執行人が暴露! 事故物件よりもウツになる「暗黒物件」シリーズ
――DV・自殺・暴力団・宗教・統合失調症…事故物件よりも鬱になる「暗黒物件」の闇を“不動産執行人”ニポポが語り尽くす…!
債務者との連絡が全く取れないということで、強制的な鍵開けによる不動産執行。
珍しい作りの家で、玄関扉にたどり着くまでには数段しかないものの、傾斜がきついうえに手すりもない不安定な階段があり、基礎部分は90センチほど高めにとられている。
このように基礎部分を高めにとるという施工は浸水の被害を最小限に食い止めたいという狙いで行われることが多く、当該物件付近にも用水路と調整池が確認できた。
この基礎部分の高さが災いし、窓からの解錠が難しそうとの理由から、今回は玄関ピッキングによる鍵開けが行われることに。
鍵の状況を確かめるために鍵師さんがドアノブに手をかけると……、そのまま扉が開く。無施錠という物件も少なくないのだ。
次の瞬間には嗅ぎ慣れたペット虐待・ペットネグレクトを連想させる強烈な動物臭が、90センチ下にいる我々のもとにまで到達した。
「今日はこういう日なんでしょうかね……」
執行官の苦笑いは、2件連続して行われたこの日の差し押さえ・不動産執行の物件双方から、ペット虐待・ペットネグレクト疑いの臭気が確認されたためのもの。
改めて不安定な階段を登り玄関へ。
1件目の執行後に捨てようと厚手のゴミ袋に包んでいたスリッパをもう一度取り出し、室内へと入る。踏み出した一歩目から埃が舞う点を見る限り、長らく無人の状態となっているようだ。
玄関を上がると目の前には階段があり、すぐ左手にはトイレや風呂場といった水回り。その奥にリビング・ダイニング・キッチンがあった。1階部分は債務者の居住スペースとされていたのか、ペットの体毛や糞尿はそこまで散乱していない。
玄関へと戻り、階段を見上げる。上部ほどペットの体毛が積もっている点からも、臭気の具合からも2階がペットの軟禁スペースになっている可能性が高い。
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