平成最後の「超大麻論2」― 宮台真司✕高樹沙耶✕石丸元章「大麻行政はデタラメ。日本はクソ社会」
●大麻騒動で伝えたい、日本の行政の出鱈目
高樹 日本は誰が扉をこじ開けるのか、楽しみにしているんですけれどね。
宮台 医療用解禁は日本が一番遅れます。理屈が通らない国ですから。カナダでの解禁に際しても役人が平気で嘘をつく。「大麻は有害」というのが典型ですが、酒や煙草のほうが有害です。ハードドラッグへのゲートウェイになるというのも嘘。違法にするからブローカーが暗躍して利幅があるハードドラッグを勧めるというのが国際常識。
高樹 ですよねえ。
宮台 NHKが外務省の見解として、カナダで日本人が吸引した場合も違法だと報じていましたが、嘘。近代司法は属地主義だから、国境をまたいだ先の国の法律に縛られるのが原則で、例外的に凶悪な犯罪が属人主義的に扱われて外国で犯した犯罪も処罰されますが、その例外リストに大麻所持はありません。あったら恥でしょう(笑)。
高樹 そもそもエビデンスが揃っているから、アメリカでも30州で医療用が解禁されたんです。
宮台 はい。医療用が解禁されれば、むろん横流しされて娯楽用にも使われます。けれど大して害がないので、Netflixの『クッキングハイ』みたいな横流し奨励番組が放置されています。さっき話したように意図的にね。まぁ日本は恥を晒せばいいでしょう。
石丸 カナダの合法化のとき、高樹さんはTwitterでいろいろつぶやいていたんですが……ネットメディアやスポーツ紙では「高樹沙耶は相変わらず大麻、大麻と言っている」「高樹沙耶のツイッターは大麻のことばっかり」と、からかっていた。ところが、メディアに目をやると、ここにきて大麻に関してコメントする人がにわかに増えている。松本人志だってだれだって、大麻に対して意見を言っている。高樹さんは自由化急先鋒のキーパーソンになっていますね。じつはメディアにとって、「カナダの合法化そのもの」は、さほどニュース価値がないんです。しょせんは外国の出来事で、メディアの主たるお客さんは、外国なんかどうでもいい、おじちゃんとおばちゃんですから。高樹さんが発言することで、本来大衆的には無価値なはずの外国の大麻のニュースに価値が生まれている。その辺りは、ご本人として、いかがですか?
高樹 そういう意味では、ナイアガラの滝を登るような気持ちで参院選に出馬して……医療大麻と脱原発だけで立候補したあの日から、覚悟は決めていましたからね(笑)。ただ、芸能人をやっていた頃、友達がハワイから大麻を持ち帰ってきたとき、「そんなことをしたら、よくないと」と言って、大喧嘩になったことがあるんです。彼女は病気にも効くと主張していたんですが、喧嘩別れしてしまった。その頃は大麻に関する知識や経験がなかったのですが、後日本当のことを理解するようになって、自分の無知を恥じました、そして彼女に対して本当に申し訳ないという気持ちになったということがありました。ですから、私のように、みなさんもいつか、そういう気持ちになってくれるという――そういうことを夢みて、頑張っているところもありますね。
石丸 なるほど、えらいなあ。
高樹 私はたいした人間ではないかもしれないし、人間を叩かれたら仕方がないところもありますけれど、大麻がどういうものかということに関しては自信があります。自分は正しいことだと思っているので、私がバカにされることはいいけれど、そこは譲れない。頑張らなければならないというモチベーションにもなっています。
石丸 気○いあつかいされる覚悟ができていたんですね(笑)。
高樹 脱原発にしても、ある人から「原発村は産学官複合体なんだから、勝負にならない。やめておいたほうがいいよ」と言われて……怖すぎる!と思ったんですが、原発は許せないことが多すぎたので、譲れなかったんです。それに、大麻はすごくおもしろい素材なんですよね。大麻を喫うことで精神変性もあるんだけれど、大麻をどうとらえるかということは、戦後の日本人の意識改革の大切な部分だとも考えたんです。日本という国家、日本の民主主義も、大麻を通して考えてみると、新しい視点が広がると思った。そのことを、頭のいい人たちは察知してくれるかもしれない、と。だから、自分自身、痛いけれど、おもしろがっているという。逮捕されたことは最悪のシナリオでしたが、パートナー選びを間違えたとか、いろいろ反省すべきところはあります。そして、あの事件後、いろいろな人間がめちゃくちゃ離れていってしまったんですよ。大麻推進派の人たちも離れていきましたが、そこで人間について、学べることができたと思っています。
宮台 大麻騒動の御蔭でこうして高樹さんと知り合いになれて嬉しいです。僕も大麻自体には関心がなく、行政の出鱈目という恥晒しに専ら関心があります。その出鱈目は、原発行政の出鱈目や、沖縄問題を含めた対米外交の出鱈目など、全ての出鱈目に通じます。この出鱈目のオンパレードが、日本をどこの国よりも速く沈ませるでしょう。
僕は愛国者なので気になりますから、大麻行政の出鱈目を契機にあらゆる分野の出鱈目に人々の目を向けさせたいと思います。今はいいタイミングです。カナダが一国全体で娯楽用を明示的に合法化し、欧州各国だけでなくアメリカも過半の州が医療用を合法化し、トランプ大統領が大麻を禁じる連邦法を廃止したがっているんですから。
日本でも大手メディアには議論がないけど、ネットには議論が溢れています。だから「今だな」と思ってラジオで2回に渡って大麻について詳しく話したんです。でも何の反発もなく、肯定的反応だけ。とはいえ賛同が殺到するほどでもない。「……」みたいな反応です (笑)。高樹さんが参院選に出馬した頃に比べて状況がよくなりました。
高樹 私のTwitterのフォロワーもカナダの合法化後、ものすごく増えているんです。離れていた友達も、連絡してきてくれるようになりました。「あなたが法を犯したことは間違っていたけれど、言っていたことは間違いではなかったのね」と。
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2024.10.02 20:00心霊平成最後の「超大麻論2」― 宮台真司✕高樹沙耶✕石丸元章「大麻行政はデタラメ。日本はクソ社会」のページです。高樹沙耶、益戸育江、大麻、石丸元章、高樹沙耶のいる未来、CBDオイル、宮台真司などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで